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金石堂城中店の閉店に思う

木下 諄一【Profile】

[2018.07.14]

2018年4月も終わりに近づいた頃、一つのニュースが話題となった。

「金石堂城中店6月底熄燈」(金石堂城中店、6月末に閉店)

この台北市で長い歴史を持つ書店が閉店するニュースが正式に発表された後、多くの人からフェイスブックなどでリアクションがあった。「子供の頃から何度も通った店が無くなるのは本当に寂しい」とか、「ここで昔、よくデートの待ち合わせをしました。当時のことを思い出します」など。それぞれに、店に対する思いを語っていた。

翌日からディスカウントセールが始まった。新刊を除いて6冊500元。山のような本が2階と3階のフロアいっぱいに積まれ、それを求めて、大勢の人が来店、何冊もの本を抱えて買い物を続けていた。レジは長蛇の列で、階段はすれ違うのも苦労するほどの混みようだ。中には最後に一目だけでも金石堂城中店の姿を目に焼き付けておこうと、遠く花蓮や高雄から来たという人もいた。

閉店が決まったあとの金石堂城中店店内の様子(撮影:木下 諄一)

目の前のそんな光景を眺めながら、僕は重慶南路書店街の最後の砦(とりで)が陥落したような、どことなく寂しい気分に浸っていた。

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  • [2018.07.14]

小説家、エッセイスト。2011年、中国語で執筆した小説『蒲公英之絮』(印刻文学出版、2011年)が外国人として初めて、第11回台北文学賞を受賞。著書にエッセイ集『随筆台湾日子』(木馬文化出版、2013年)、日本語の小説『アリガト謝謝』(講談社、2017年)などがある。

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