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エルネスト(2017年10月)
[2017.10.05]

没後50年を迎えたキューバ革命の英雄、チェ・ゲバラ。その存在を間近に感じ、祖国ボリビアの民族解放闘争へと身を投じた日系人がいた。正義と理想を追い求め、歴史の裏舞台で散った青年の姿を阪本順治監督が描く。

作品情報

© 2017 “ERNESTO” FILM PARTNERS.

監督・脚本=阪本 順治
原案=マリー前村ウルタード、エクトル・ソラーレル前村
キャスト=オダギリ ジョー、永山 絢斗、ホワン・ミゲル・バレロ・アコスタ、ジゼル・ロミンチャル、他
製作=椎井 有紀子
製作総指揮=木下 直哉
撮影=儀間 眞悟
音楽=安川 午朗
配給=キノフィルムズ
製作年=2017年
製作国=日本・キューバ合作
上映時間=124分
公開日=2017年10月6日(TOHOシネマズ 新宿ほか全国ロードショー)
公式サイト=http://www.ernesto.jp/
フェイスブック=https://www.facebook.com/ernesto.freddy/

見どころ

2017年10月9日は、キューバ革命でゲリラ軍を率いた「チェ・ゲバラ」ことエルネスト・ラファエル・ゲバラ(1928-1967)の死からちょうど50年。その存在はいまや、マルクス主義革命思想を超え、正義と理想を追い求めて勇猛果敢に行動したカリスマとして、世界中の若者に影響を及ぼし続けている。

キューバ革命の英雄として知られるが、アルゼンチンに生まれ、没したのはボリビア。青年期の2度にわたるラテンアメリカ縦断旅行に始まって、キューバ革命後にはアジア、アフリカ、ヨーロッパを外遊し、39年の短い生涯ながら、文字通り世界を飛び回った。

1959年7月には日本を訪問した。大阪滞在中に急きょ予定を変更して広島を訪れ、原爆犠牲者の慰霊碑に献花し、入院中の被爆者を見舞ったという。『エルネスト』はまさにそのシーンから始まる。しかし映画の主人公は、この誰もが知るエルネストではなく、彼から戦闘員として「エルネスト」のニックネームを授かった知られざる男、日系ボリビア人のフレディ前村(オダギリジョー)である。

チェ・ゲバラと同じく医師を志し、奨学生としてキューバに留学したフレディだったが、ボリビアでクーデタにより軍事政権が発足すると、祖国の民衆を解放するため、ゲバラ率いるゲリラ戦線に参加することを決意する。

フレディがチェ・ゲバラと接したのはほんのわずかな時間だが、その言葉や身振り、まなざしから、瞬時に受けとった何かがあったに違いない。カリスマからの啓示がどれほど素早く、深く、正義感あふれる清廉な若者の心に浸透していったのか、容易に想像できる。しかし、それをいかに決意へ、行動へと結びつけるかは言うまでもなく本人の勇気にかかっている。フレディ前村に自分のファーストネームである「エルネスト」の呼び名を与えたチェ・ゲバラは、やはり人を見抜く力が並外れていたのだろう。

日本とキューバ合作の『エルネスト』は、チェ・ゲバラの広島訪問や日系人青年という日本とのつながりを物語に生かしながら、日本の映画人が日本を飛び出して挑んだスケールの大きな作品だ。昨今の日本映画にほとんど類を見ない重厚な歴史・人間ドラマに仕上がっている。スタッフの勇気、決意、行動に拍手を送りたい。(編集部)

© 2017 “ERNESTO” FILM PARTNERS.

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予告編

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