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温州ミカンの収穫量は最盛期の5分の1:高齢化による廃園など影響

社会

2017年の温州ミカンの収穫量は過去最低で、最盛期の1975年と比べると5分の1だった。生産者の高齢化が影響していると言われる。

小さなこどもでも簡単に手で皮をむけて、たねがなくて食べやすい。値段もお手頃。——かつては日本のお茶の間の定番アイテムだった温州ミカンの収穫量が減り続けている。

農林水産省のまとめによると、2017年の収穫量は74万1300トン(前年比3万6500トン減)で、統計を取り始めた1973年以降で最低。最も収穫量が多かった1975年の366万5000トンと比べると5分の1に減少した。農水省が見込んでいた適正生産量の87万トンを大きく下回ったため、需要が多い年末から価格が急騰した。

台風被害や干ばつ、高温で実の着きが悪かったなど2017年特有の事情もあるが、収穫量の減少トレンドが続いている大きな理由の一つは生産者の高齢化だ。後継者がなく、労働力不足で廃園に追い込まれるミカン園が増えている。また、栽培管理に十分な手が掛けられないために、単位面積当たりの収穫量も低下傾向にある。

都道府県別で収穫量が最も多かったのは、和歌山の14万4200トンで、14年連続トップを維持。次いで愛媛12万300トン、熊本8万5700トン、静岡8万1700トンと続いた。この4県で全国の約6割を占めている。

(「温州ミカン」は日本原産のかんきつの種名。「有田みかん」「三ケ日みかん」は温州ミカン種の地域ブランド名)

バナー写真 : PIXTA

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