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高齢化に拍車がかかる農業従事者

社会

農業就業人口は30年前の1985年と比べて6割も減少、さらに農業に従事する人の高齢化も進んでいる。農業の担い手不足は深刻だ。

農業に携わる人が減少し、高齢化も加速している。農林水産省が5年ごとに実施している農林業センサスによると、農業に従事する「農業就業人口」は2015年に209万人となり、30年前と比べると6割減った。一方、主に農業で生計を立てている「基幹的農業従事者」は175万人と初めて200万人を割り込んだ。基幹的農業従事者のうち65歳以上の割合は63.5%となり30年間で3.3倍を超えた。

農業就業人口は542万人だった1985年から、5年ごとの調査のたびに大幅減を繰り返している。基幹的農業従事者の減少幅は小さくなっているものの、担い手不足は深刻で、農産物の生産基盤の弱体化が進んでいる。

基幹的農業従事者の平均年齢は67歳で、10年で7.2歳も上がった。高齢化は北陸や中国地方などの中山間地域で特に進んでおり、65歳以上は既に7割を超えている。平均年齢の上昇は、投入できる労働量の低下にもつながっていると考えられる。過去1年以上作付けをせず、今後も作付けが見込めない耕作放棄地は増え続けており、農地の荒廃が懸念されている。

少子高齢化による人手不足は、農業分野に限らず多くの産業に及んでおり、新規就農者の確保は容易なことではない。政府は、建設、農業、介護などの5分野に最長5年の新たな在留資格を設け、外国人労働者の受け入れを拡大する方針を打ち出している。

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