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海外で学ぶ日本人の小・中学生:英語圏は現地校選ぶケースが多い

社会

親の海外赴任などに伴い、海外で学ぶ小学生・中学生の数も増えている。2017年は初めて8万人を突破した。10年前に比べ2万人以上の増加だ。地域別にみると、大きく増えたのはアジアだった。

アジアは10年間で40%以上も増加

外務省の統計によると、2017年10月1日現在、海外滞在中の日本人(3カ月未満の短期を除く)は前年比1万3493人増の135万1970人と統計のある1968年以来の最高を記録した。親の海外赴任などに伴い、国外の学校で勉強する子どもの数も着実に増えている。

2017年4月15日時点で、海外にある「日本人学校」「補習校」「現地校・国際校」で学ぶ日本人の小・中学生は前年比3320人増の8万2571人。10年前(07年=5万9109人)に比べ2万3000人以上増加し、初めて8万人を上回った。

地域別にみると、アジアは3万2425人で、10年前(07年=2万2801人)に比べ40%以上増えた。中国をはじめとするアジア諸国の経済的な発展とともに、日本から進出する企業が増えていることが影響していると考えられる。北米、欧州、中南米も増加傾向、中東、アフリカ、大洋州は大きな変化がなかった。

英語を学ばせたい親心くっきり

地域によって日本人学校への依存度は異なる。

北米は日本人学校に通う児童・生徒数が467人に対して、現地・国際校は1万2171人と圧倒的に現地校派が多い。大洋州も日本人学校138人に対し、現地・国際校は1705人。英語圏では現地校をメインにして、放課後や土曜日に補習校に通って日本語力を補うスタイルが多い。生きた英語を徹底的に学び、将来の進路に有利に働くようにしたいという親心が透けて見える。

これに対し、アジアは日本人学校と現地・国際校に通う児童生徒数がほぼ同数の約1万5000人となっている。非英語圏では、受験には関係のない地元の言葉を学ぶよりも、受験対策を優先して日本の教育課程に準拠した日本人学校を選択するケースが多い。ただ、最近では、英語圏並みの英語力を身に着けるため、在留英・米国人向けに設立された国際校に通うケースも増えてきているという。

バナー写真:PIXTA

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