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日本の原子力発電所マップ

社会

福島第1原発の事故から9年を経て、2020年3月6日時点で日本国内で稼働している原発は9基(定期検査中のものも含む)。いずれも、事故を起こした福島第1とはタイプが異なる「加圧水型」で、西日本に集中している。

2011年3月11日の時点で、日本には54基の原発があり、日本で使う電力の30%前後を原子力で賄っていた。しかし。東日本大震災で、東京電力の福島第1原子力発電所が重大事故を起こしたことで、日本における原子力発電の在り方は大きく変わった。

2013年7月、政府は原発に対する新規制基準を施行。地震や津波に備え、従来よりも厳しい安全基準をクリアしなければならず、巨額の安全対策費が必要となった。さらに、原発が立地する自治体では、再稼働か否かが首長選挙の争点となったり、住民から運転差し止めの訴訟が相次いで提起されたりしている。巨額のコストを掛けて安全対策をしても、再稼働にはいくつものハードルが待ち受ける。

2018年7月12日時点で新基準にパスして再稼働にこぎ着けているのは、大飯(関西電力)、高浜(関西電力)、玄海(九州電力)、川内(九州電力)、伊方(四国電力)の5発電所の9基。西日本エリアに集中しており、事故を起こした福島第1原発とはタイプが異なる「加圧水型」だ。

福島第1と同じ「沸騰水型」では、柏崎刈羽(東京電力)の6・7号機、東海第2発電所(日本原子力発電)、女川(東北電力)が新基準に合格している。ただ、福島第1と同型であることや、特に東日本では震災の記憶が強く残っていることから、地元住民・自治体の合意を得ることは容易ではなく、再稼働の目途は立っていない。

【2023年版の地図はこちら→ https://www.nippon.com/ja/japan-data/h01752/

一方、東日本大震災以降に廃炉が決定した原発は21基に上る。政府は第5次エネルギー基本計画で「2030年度に原発による発電比率を20~22%にする」としているが、廃炉が進み、再稼働が足踏み状態の中での実現は厳しそうだ。

※オリジナルの記事は2018年7月12日公開。2020年3月6日に情報を更新した。

バナー写真 : PIXTA(九州電力の川内原子力発電所)

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