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台風の発生・上陸は8月に多く、大被害は9月

社会

夏になると、必ずと言っていいほど、台風の接近や上陸がニュースになる。台風は年26回発生するが、過去に甚大な被害を及ぼした台風は9月に集中している。

毎年、夏になると日本に襲来し、時として大きな災害をもたらす台風。

熱帯の海上で発生する低気圧のうち、最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s以上で、東アジアや日本に向かうものを台風と呼ぶ。台風は上空の風に流され、地球の自転の影響で北へ向かう性質を持っている。日本列島付近では、上空の偏西風に乗って速い速度で北東に進むケースが多い。

台風の発生数は年によってばらつきがあるが、1951~2017年までを平均すると年26回程度。そのうち、日本に上陸するのは平均で年3回程度だ。

台風は暖かい海面から供給された水蒸気が凝結して雲粒になるときに放出される熱をエネルギーとして発達する。このため、発生数、上陸数ともに水温が高い海域が増える7~10月に集中する。

一方、気象庁がまとめた「日本に大きな被害を与えた台風の一覧」を概観すると、9月に襲来した台風が大きな被害をもたらしていることがわかる。もともと発生数、上陸数が多い上に、日本列島付近に秋雨前線が停滞していて、台風の東側を回って前線に流れ込む湿った空気が前線の活動を活発化させ、大雨を降らせる場合があるためだという。

日本に大きな被害を与えた台風の一覧

上陸日 台風名 死者・行方不明者(人) 家屋損壊(棟)
1934/9/21 室戸台風 3036 92740
1945/9/17 枕崎台風 3756 89839
1947/9/15 カスリーン台風 1930 9298
1954/9/26 洞爺丸台風 1761 207542
1958/9/26 狩野川台風 1269 16743
1959/9/26 伊勢湾台風 5098 833965
1990/9/19 90年-19号 40 16541
1991/9/27 91年-19号 62 170447
1993/9/3 93年-13号 48 1784
2004/9/7 04年-18号 46 64999
2004/10/20 04年-23号 98 21350
2011/9/3 11年-12号 98 4008
2013/10/16 13年-26号 43 1094

気象庁のサイトを基に編集部作成。カラーで網掛けしたものは9月に上陸した台風。気象庁は昭和期は死者・行方不明者の合計が1000人を超えたもの、平成以降は死者・行方不明者の合計が40人を超えたものを取り上げている。

バナー写真 : PIXTA

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