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減らない対人自転車事故 :「ながらスマホ」事故に有罪判決
[2018.08.30]

自転車事故の総数は減少傾向にあるが、自転車側が加害者となる対歩行者事故は減少幅が小さい。免許不要で、だれもが利用できる手軽さゆえに、加害者となりうる自覚が欠けているのではないだろうか。

警察庁のまとめによると、2017年に発生した自転車が関係する交通事故は前年比430件増の9万407件。内訳は自転車利用者側が被害者となる「対自動車」が7万6036件と圧倒的多数を占めるが、歩行者を傷つけて加害者となる「対歩行者」の事故も269件増えて2550件だった。

自転車は運転免許も講習も不要でだれもが気軽に利用できることから、加害者となる自覚なしに交通ルールを無視して事故を起こす例が後を絶たない。

2017年の交通事故総数は47万2165件と2004年のピーク95万2720件からは大幅に減少。死亡者数も3694人で、警察庁が保有する1948年以降の統計で最少となった。このうち、自転車が絡む事故件数も10年前の2007年から大きく減少した。交通事故全体に占める自転車関連事故の比率は20%前後で推移している。

ただ、自転車関連事故のうち「対歩行者」事故の減少幅は小さく、自転車事故全体に占める「対歩行者」事故の割合は07年の1.7%から、17年には2.8%に上昇した。17年12月には、右手に飲み物を持ち、左手持ったスマートフォン(スマホ)を操作しながら自転車で走行していた女子大学生(当時)が、歩行者に衝突して死亡させる事件が川崎市で発生。横浜地裁川崎支部は「歩行者を死傷させ得るとの自覚を欠き、自己本位で過失は重大」として、禁錮2年執行猶予4年の有罪判決を言い渡した。18年6月には、茨城県つくば市でも「ながらスマホ」で自転車に乗っていた男子大学生が歩行者の男性をはねて死亡させる事故が発生しており、自転車利用者の安全意識の向上は急務だ。

「対歩行者」事故は「自転車利用者は24歳以下の若い年齢層、歩行者は65歳以上の高齢者」がそれぞれ当事者となる例が多い。15年に自転車側が加害者となるケースを分析した交通事故総合分析センター(ITARDA)のレポートは、「歩行者側の違反は少なく、自転車の一方的な不注意により歩行者を死傷させている」と指摘する。

また、ITARDAによると、事故の約4割が歩行者優先であるべき歩道において発生し、朝夕の通勤・通学時間帯に発生のピークがある。「前方の状況をよく見ていないこと、すれ違う際に間隔を十分にとっていないこと」などが原因と考えられる。

バナー写真 : PIXTA

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