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台風被害でインバウンドに痛手:関空、17年度は国際線旅客2000万人突破

経済・ビジネス 社会

台風21号による高潮や強風の影響で関西国際空港は閉鎖に追い込まれ、当面の間、再開は難しそうだ。関西経済の押し上げ要因となっている訪日外国人観光客の受け入れや、輸出入への影響が懸念される。

関西国際空港(大阪府泉佐野市)は、台風21号による高潮の影響で滑走路が冠水、対岸と空港を結ぶ連絡橋にタンカーが衝突して橋げたがゆがむなど甚大な被害を受けた。空港は9月4日午後から閉鎖され、再開のめどが立っていない。

関西国際空港は1994年9月4日開港。2つの人工島からなる海上空港で、騒音の影響が少ないことから、日本で初めて旅客・貨物の両方で24時間運用を実現した。2008年のリーマン・ショックによる景気低迷や、11年の東日本大震災後の旅行控えなどで一時期は旅客数が低迷したが、12年10月のLCC(格安航空会社)専用の第2ターミナルビル運用開始など、積極的なLCC誘致策に成功。中国、台湾、香港、韓国など東アジア地域からの利用が拡大し、国際線発着数、旅客数ともに急増している。

17年度の総旅客数は過去最高の2880万人で、国際線旅客数は2190万人と初めて2000万人を突破した。このうち約7割が外国人旅行者で、関空を起点に各地へ旅行する外国人観光客が、関西経済の押し上げ要因となっている。

空港別貿易額は、輸出、輸入ともに成田空港に次ぐ全国2番目。2017年の輸出は前年比11.1%増の5兆6439億円で、このうち23%に相当する1兆2940億円は半導体等電子部品。一方、輸入は前年比10.9%増の3兆9406億円で医薬品、通信機などが上位品目だった。

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