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牛肉の輸入が増加、国産は農家の高齢化で伸び悩み:和牛の価格は米国産の2倍以上!
[2018.10.04]

2000年代初頭に発生したBSE(牛海綿状脳症)の影響で、牛肉の需要は大きく減ったが、ここに来て、回復基調にある。

2017年度の日本市場への牛肉の供給量が01年度以来15年ぶりに90万トン台に回復した。内訳は国産が33万トン、輸入が57万2000トンだった。

1990年の牛肉輸入量は38万4000トンだったが、91年に牛肉の輸入が自由化されると、輸入量は着々と増加。2000年には自由化前の2倍の水準の73万8000トンとなった。同年は、国内産と合わせた牛肉供給量は110万3000トンのピークを記録した。

しかし、01年9月に国内でBSE(牛海綿状脳症)が発生。03年12月には米国でもBSEが発生し、その後2年間にわたって米国産牛肉の輸入が停止されたことなどから、牛肉消費も低迷した。05年に米国産牛肉輸入再開後は、徐々に輸入量が回復。10年以降は50万トン前後での推移が続いていたが、17年は前年比9%近く増加した。

輸入元の国別では豪州が29万8000トン、米国が23万1000トンでこの2カ国で輸入量全体の9割以上を占める。

農畜産業振興機構の調査によると、17年度の牛肉の小売価格(かた肉、100gあたり)は米国産292円に対して、和牛は795円と2.5倍以上の差がついている。畜産農家の高齢化が進んでおり、肥育に手間のかかる和牛は、需要に見合う供給量が確保できず、価格の高騰が続いている。

輸入牛肉には現在38.5%の関税が課せられているが、環太平洋経済連携協定(TPP)が発効すれば、税率は段階的に引き下げられ16年後には4分の1以下の9%まで下がる。TPPから離脱した米国についても、2国間交渉でTPPと同水準程度に着地する可能性が高く、輸入牛肉は一段と安くなりそうだ。

もともと、和牛は品質・価格面で輸入牛肉とは直接の競合関係にはないが、輸入牛肉の価格が下がれば、和牛よりも値ごろ感のある価格で流通する国産牛(乳用種や和牛と乳用種の交配種)には大きな痛手となる。

バナー写真 : nippon.com編集部

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