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男性の過半数は「なんちゃって育休」:イクメンまだ少数派

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男性の育児休業の半数以上が「5日未満」。育児の担い手としては、全く当てにはならず、参加した気分を味わうだけの「なんちゃって育休」だ。

厚生労働省の「雇用均等基本調査」によると、2017年度の男性の育児休業取得率は前年度比1.98ポイントアップの5.14%で、初めて5%を突破した。

政府は女性が社会で活躍するために、男性の積極的な家事や育児への参加を推奨しており、育休を取得する男性も増加傾向にある。ただ、同じ折れ線グラフを女性の育休取得率のグラフと1枚に収めると、ほとんど地をはうような水準だ。政府は20年に男性の取得率を13%に引き上げる目標を掲げているが、それを達成しても、男女の隔たりは大きい。

さらに、育児休業の取得期間でも、男女差は歴然としている。2015年度の女性の育休取得期間は6カ月から24カ月に集中しており、総計で85%を超える。一方、育休を取得した男性の8割以上が期間1カ月未満で、中でも「5日未満」が56.9%に上る。新生児のいる家庭で5日に満たない日数では、育児の担い手としては当てにはならず、育児に参加した気分を味うだけの「なんちゃって育休」といったところだろうか。

育児に熱心に取り組む男性を指す「イクメン」という言葉は社会に定着しつつあるが、育休の取得状況を見る限り、本気のイクメンはまだ少数派。「男は仕事、女は家庭」といった性的役割分業意識の名残で、男性が長期に渡って職場を離れることに対する抵抗感も根強いのが現実だ。しかし、家事や育児の負担が女性に偏ったままでは、女性が社会の中で十分な力を発揮することは難しい。

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