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1970年と2025年の大阪万博 : 「希望あふれる成長期」と「現状を持続したい成熟期」
[2018.11.28]

2025年の大阪万博の開催が決まった。「東京五輪から大阪万博へ」 半世紀前にも経験した東西の大都市で開催される国際イベントの本質的な違いは何なのか。

2025年国際博覧会(万博)の開催地が、大阪に決まった。大阪での開催は1970年以来55年ぶり2度目となる。

1964年の東京五輪の6年後に開かれた1970年の大阪万博は、当時としては史上最高の6422万人の入場者を集め、大盛況だった。高度経済成長期のまっただ中、万博の開催に合わせて鉄道網や高速道路が整備され、大阪の街は活気づいた。

2度目の大阪万博は、2度目の東京五輪の5年後に開催される。「あの頃の活気よもう一度」と期待は高まるが、半世紀余前との最大の違いは、1970年は日本が「成長期」にあり、2025年は「成熟期」にあることだ。基幹的なインフラは日本中に行きわたり、むしろ、高速道路や発電施設、水道管など半世紀以上使い続けてきたインフラをいかにメンテンナンスしたり、更新したりしながら都市機能を維持していくかが課題となっている。

医学や治療技術の進歩で、1970年から2017年までの間に平均寿命は男性が11.78年、女性は12.60年伸びた。日本は世界有数の長寿国家として知られる。その一方で、子どもの数は激減している。1970年の出生数が193万人だったのに対して、2017年は94万人と100万人超の減。長寿化で増える高齢者を、少ない生産年齢人口で支える構造だ。

2025年万博がサブテーマとして「持続可能な社会・経済システム」を掲げるのは象徴的だ。成長によって手にした豊かさを、いかに持続させていくかが問われることになる。

2つの大阪万博の基本要素と社会背景

1970 2025
会期 3月15日〜9月15日 5月3日〜11月3日
場所 大阪千里丘陵 大阪夢洲
テーマ 人類の進歩と調和 いのち輝く未来社会のデザイン
参加国 77か国・4国際機関 150カ国
入場者数 6422万人 2800万人
平均寿命 男  69.31 男 81.09(2017)
女  74.66 女 87.26(2017)
高齢化率 7.1 27.7(2017)
出生数 193万4239人 94万6060人(2017)
合計特殊出生率 2.13 1.43(2017)

大阪府ウェブサイト、人口動態統計のデータなどを基に編集部作成

2025年万博は、入場者数2800万人を見込む。1970年万博からは半減以下だが、最近の開催実績から考えれば、かなり意欲的な数字だ。海外旅行が特別なぜいたくだった時代は、万博のパビリオンは世界各国の文化や技術に触れる貴重な機会だった。誰もが気軽に海外旅行できる時代となり、さらには、インターネットでリアルタイムで遠く離れた国のことも知ることができるようになった。テーマパークなど競合する施設も各地に整備されている。いかに万博の魅力を発信し、足を運んでもらうかも大きな課題となる。

これまでの主な万博の入場者数

開催年 開催地 (万人)
1970 大阪万博 6422
1975 沖縄国際海洋博覧会 349
1985 国際科学技術博覧会(つくば博) 2033
1988 国際花と緑の博覧会(大阪花博) 2312
1992 セビリア万博(スペイン) 4182
2000 ハノーバー万博(ドイツ) 1800
2005 愛知万博 2204
2010 上海万博(中国) 7308
2015 ミラノ万博(イタリア) 2150
2020 ドバイ万博(アラブ首長国連邦) 2500
2025 大阪万博 2800

黄色でハイライトしたのは、テーマを絞って比較的小規模で開催される認定博。2020年ドバイ、2025年大阪の入場者数は予想値。大阪府の資料などを参考に編集部作成

バナー写真 : 時事

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