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後継者不在率、66.4%:企業規模が小さいほど苦戦、継ぐ人なく倒産も

経済・ビジネス

全国27万6000社調査で、後継者不在の企業が66.4%に上った。中小企業の存続が危ぶまれている。

信用調査機関の帝国データバンクの調査で、2018年の日本の企業の後継者不在率は66.4%だった。

調査は同社のデータベースに収録している企業のうち、2016年以降の事業継承の実態について分析可能な27万6000社を対象とした。

従業員規模別でみると「5人以下」の企業では75.0%、売上高規模別では「5000万円未満」の81.3%が後継者不在となっており、より小規模な企業ほど後継者選定に苦戦していることがわかる。

従業員数別の後継者不在率

5人以下 75.0
6~20人以下 68.2
21~50人以下 62.6
51~100人以下 58.2
100人以上 48.4

出所 : 帝国データバンク

売上高規模別の後継者不在率

5000万円未満 81.4
5000万~1億円未満 76.0
1~10億円未満 68.9
10~50億円未満 59.3
50~100億円未満 49.5
100~1000億円未満 40.4
1000億円以上 25.8

出所 : 帝国データバンク

27万6000社の現在の社長の就任経緯は、全体の40.3%にあたる約11万社が「同族承継」、次いで「創業者」(34.7%)、「内部昇格」(14.7%)、「その他」(4.2%)、「外部招へい」(3.2%)の順だった。

2016年以降に事業継承が判明した企業約3万5000社の社長について、就任経緯を調べたところ、「同族継承」が最も多いが、年を追うごとに割合はじわじわと減少、18年は36.0%となった。

その一方で、ごくわずかではあるが、内部昇格や外部招へい、その他(買収、出向、分社化等)の割合が上昇している。特に、50代、60代の社長では「同族以外」のケースが多く、経営経験・業界経験が買われて就任したものと考えられる。

2018年は「創業者」への事業継承が5.3%あったが、70代、80代の高齢社長に多いという。一度は、代表権のない会長や相談役などに退いたものの、経営幹部人材の不足や、改めて後継育成の必要に迫られるなどして復帰したケースが見られたという。

後継者不在のため事業継続の見込みが立たなくなったことによる企業倒産は今年に入って316件発生した(2018年10月時点)。通年では17年の341件を上回る可能性もありそうだ。

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