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働く女性増え、学童保育の待機児童1.7万人:「小1の壁」乗り越える頼みの綱

社会 家族・家庭

親が仕事から帰ってくるまでの間、宿題をしたり、遊んだりして過ごすことができる「学童保育」。共働き家庭にとってはなくてはならない存在だが、希望者が多く、定員超過で入れないケースも多い。

子どもを保育園に預けてフルタイムで働いている親にとって、嬉しいはずの子どもの小学校入学が大きな試練となるケースが多い。俗にいう「小1の壁」だ。小学1年生は授業時間数が少なく、下校時間が早い。小学校には夏休みや春休みなどの長期休暇もある。学校のサイクルに合わせているとフルタイムの仕事を続けることは難しく、かといって、親が不在の間、毎日、長時間の留守番をさせるわけにもいかない。

そんな共働き家庭にとってなくてはならないのが「学童保育」だ。自治体や社会福祉法人が運営主体となり、小学校の余裕教室や児童館などのスペースを活用して、遊びや生活の場を提供するもの。児童支援員の見守りのもと、親が不在の時間を安全・安心に過ごすことができる。

ところが2018年5月時点で学童保育の利用を希望しても、定員超過などで入ることができない待機児童は過去最高の1万7279人に達した。都道府県別で見ると、東京都3821人、埼玉県1657人、千葉県1602人の1都2県で全体の4割以上を占め、首都圏で、特に深刻な状況だ。

政府は2014年に策定した「放課後子ども総合プラン」で、19年度末までに122万人分の受け皿を整備し、待機児童を解消することを目指していた。18年5月時点で、利用登録児童は123万4366人となり、122万の目標はクリアしたものの、働く女性の増加とともに、利用希望者も右肩上がりに増加しており、待機児童の解消には至らなかった。政府が18年9月に策定した新たな目標では、19~23年度までの5年間でさらに30万人分の受け皿を整備するとしている。

バナー写真 : PIXTA

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