Japan Timeline

2017年4月 日本の出来事

今村復興相の失言による辞任、北朝鮮情勢の緊迫化に伴う日米共同訓練、天皇陛下の退位を巡る有識者会議の最終報告など、2017年4月の日本の出来事を振り返る。

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フィギュアスケートの世界選手権最終日がフィンランド・ヘルシンキで行われ、男子は羽生結弦(ANA)が今季世界最高となる合計321.59点を記録。ショートプログラム(SP)5位から逆転し、3年ぶり2度目の優勝を果たした。フリーは自身が持つ世界最高得点を更新する223.20点だった。

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知育玩具のレゴをテーマにした屋外型テーマパーク「レゴランド・ジャパン」が、名古屋市港区にオープンした。数百万のレゴブロックを用いて日本の街並みなどが再現され、多数のアトラクションもそろっている。

屋外型テーマパーク「レゴランド・ジャパン」がオープンし、場内を進む人々=1日、名古屋市港区(時事)

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韓国・釜山の日本総領事館前に慰安婦を象徴する少女像が設置されたことへの対抗措置として1月に一時帰国していた長嶺安政駐韓大使がソウルに戻り、約3カ月ぶりに帰任した。

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将棋の史上最年少プロ棋士、藤井聡太四段(14)が昨年12月のデビュー戦以降、公式戦で11連勝し、新記録を達成。月末までに連勝を14に伸ばした。また、23日にインターネットテレビ局「Abema TV」が配信した非公式戦で、トップ棋士の羽生善治三冠(46)を破った。

将棋の王将戦予選で小林裕士七段に勝ち、デビュー11連勝を飾った藤井聡太四段=4日、大阪市福島区の関西将棋会館(時事)

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文部科学省が、全国の公立中高生らを対象にした2016年度の英語教育実施状況調査の結果を発表した。政府が17年度までに目指す英語力のレベルに達した中学3年生と高校3年生はともに36%台で、政府目標(50%)の達成は厳しい状況となった。

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犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の構成要件を改めた「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が衆院本会議で審議入りした。共謀罪を盛り込んだ法案は「内心の自由が侵害される恐れがある」と批判を受け、過去に3回廃案となっている。

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厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は、2065年までの日本の将来推計人口を発表した。15年に1億2709万人だった総人口は、53年に1億人を割る見通し。65年には8808万人に減り、65歳以上の高齢者が占める割合は、15年の26.6%から38.4%に上昇する。

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フィギュアスケート女子の2010年バンクーバー五輪銀メダリストで、世界選手権を3度制した浅田真央(26)=中京大=が自身のブログで現役引退を表明した。12日には記者会見し、「体も気力も全部出し切った。何も悔いはない」と語った。

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東芝は、純損益が5325億円の赤字となった2016年4~12月期決算について、監査法人が決算に「適正」か「不適正」かの意見を示さない「結論不表明」という形で、関東財務局に報告書を提出した。監査法人から「適正」の見解を得られないままでの決算発表は異例。

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熊本地震の前震から1年を迎え、各地で追悼式が行われた。熊本県内の震災犠牲者は、避難生活による病気悪化などで死亡し、関連死と認定された人を含め220人を超える。

熊本地震の前震から1年目の朝を迎えた熊本城。左から宇土櫓(うとやぐら)、小天守、大天守=14日、熊本市(時事)

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サッカーJ3・FC東京U23の久保建英(たけふさ)が初ゴールを決め、15歳10月11日のJリーグ最年少ゴール記録を樹立した。5月にはYBCルヴァン・カップでJ1公式戦デビューを果たす見通し。

J3第5節、セレッソ大阪U23-FC東京U23の対戦。前半38分、左足でゴールを決めたFC東京U23・久保建英=15日、ヤンマースタジアム長居(報知新聞/アフロ)

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2月の安倍晋三首相とトランプ米大統領による首脳会談で設置が決まった日米経済対話の初会合が開かれた。麻生太郎副総理兼財務相とペンス副大統領が出席し、両国主導による貿易・投資ルールづくりやインフラ整備などで協力することで一致した。ペンス氏は会合終了後の共同記者会見で、両国の対話が「自由貿易協定(FTA)交渉に発展する可能性がある」と発言した。

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経済協力開発機構(OECD)は、2015年に72カ国・地域の15歳(日本は高校1年)約54万人を対象に実施した国際学習到達度調査(PISA)のアンケートを基に、生徒の幸福度に関する初の報告書を公表した。日本の生活満足度の平均値は6.8で、OECD平均の7.3を下回り、比較可能な47カ国・地域で下から6番目だった。

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(現地時間19日)麻生副総理兼財務相は米ニューヨークで講演し、5月20、21両日のハノイでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易相会議に合わせて開く環太平洋連携協定(TPP)閣僚会合で「11カ国だけでやろうという話が出る」と述べた。現職閣僚が公の場で米国抜きのTPPを容認する立場を明言したのは初めて。

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天皇陛下の退位を巡る政府の有識者会議は、退位に伴う新たな制度を盛り込んだ最終報告を安倍首相に提出した。天皇、皇后両陛下の退位後の称号・敬称をそれぞれ「上皇陛下」「上皇后陛下」と定めるよう提言。皇族数の減少を「一層先延ばしのできない課題」とし「速やかに検討を行うことが必要」と政府や国民に求めた。

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海上自衛隊と米海軍の原子力空母「カール・ビンソン」を中心とする空母打撃群は、フィリピン海で共同訓練を開始した。北朝鮮が弾道ミサイル発射や核実験を行わないよう、日米で連携してけん制する狙い。空母部隊は沖縄東方沖を航行し、米太平洋軍のハリス司令官は26日、「カール・ビンソン」が北朝鮮を攻撃可能な海域に入ったと述べた。29日午前には対馬海峡を経由して日本海に入った後、昼ごろに共同訓練を終えた。

海上自衛隊の護衛艦「あしがら」「さみだれ」と共にフィリピン海を航行する米海軍の原子力空母「カール・ビンソン」(手前)=26日(米海軍ウェブサイトから)

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安倍首相はトランプ米大統領と電話会談し、核実験やミサイル発射などの挑発を繰り返す北朝鮮に強く自制を求めていくことで一致した。首相はこの後、記者団に「引き続き米国と緊密に連携し、高度な警戒監視態勢を維持し、わが国として毅然(きぜん)と対応していく」と述べた。

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今村雅弘復興相が、東日本大震災について「(発生場所が)東北の方だったから良かった。これがもっと首都圏に近かったりすると莫大(ばくだい)な被害があった」と発言。被災者などから厳しい批判を浴び、26日に辞任した。今村氏は4日にも、東京電力福島第1原発事故に伴う自主避難者への対応に関し「本人の責任だ。裁判でも何でもやればいい」などと発言し、その後撤回していた。

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米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画で、政府は名護市辺野古沿岸部の埋め立て区域を囲む護岸建設に着手。日米両政府が1996年に普天間返還に合意してから21年を経て、大きな節目を迎えた。沖縄県側は、「民意に反する」と反発した。

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日本郵政は2017年3月期の連結最終損益が400億円の赤字に転落する見通しだと発表した。15年に買収したオーストラリアの物流子会社トール・ホールディングスの業績が低迷し、買収価格と実際の資産価値の差額に当たる「のれん代」など4003億円の減損損失を一括で計上するため。赤字転落は07年10月の民営化後、初めて。

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日銀は金融政策決定会合で、最新の経済予測である経済・物価情勢の展望(展望リポート)をまとめた。好調な生産や輸出を踏まえ、景気判断を従来の「緩やかな回復基調を続けている」から、「緩やかな拡大に転じつつある」に上方修正した。「拡大」の表現は2008年3月以来9年ぶり。

安倍首相はロシアのプーチン大統領とモスクワで会談。北方領土での共同経済活動を具体化するため、5月にも日ロ合同の官民調査団を派遣することで合意した。

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安倍首相は英国のメイ首相とロンドンで会談し、両首脳は自由貿易を推進していくことで一致。北朝鮮の核・ミサイル問題については「新たな段階の脅威」との認識を共有した。

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