高階秀爾・東大名誉教授が文化勲章を受章

美術史家で大原美術館館長の高階秀爾・東大名誉教授が、2012年度の文化勲章を受章されました。高階名誉教授には、一般財団法人ニッポンドットコムの評議員会の評議員を発足時よりお引き受けいただいています。それだけに、当財団として今回の文化勲章受章について心よりお祝いを申し上げるとともに、今後のますますのご活躍を祈念してやみません。

海外で人気の「富士山の文化史」

美術や文化論などに興味のある方なら、高階名誉教授が書かれた数多くの著書や論評などを通じて、多くのことを学ばれたり、示唆を受けた経験が一度ならずあるのではないでしょうか。多言語サイト「nippon.com」でも、高階名誉教授にご執筆いただいた論文『富士山の文化史』を2012年1月に掲載したところ、日本語はもちろん、英語、フランス語、スペイン語各言語のサイトで高い閲覧数を記録し続けています。

論文は、古代から日本人にとって賛嘆と敬意の対象であった富士山が、なぜ数多くの絵画や文学などの中に描かれてきたのか、なぜ富士山は日本人の心と深く結びついてきたのか、を浮世絵や写真などを交えて海外の読者にも分かりやすく執筆したものです。

もともと、この論文は、財団の前身である株式会社ジャパンエコー社が36年にわたり発行していた英文雑誌『JAPAN ECHO』が、2003~4年にかけて江戸時代をテーマに取り上げた12篇の論文の「巻頭」を飾ったもの。その後、これらの論文の日本語版は『江戸への新視点』として新書館から単行本として出版されました。

「nippon.com」では、高階名誉教授の文化勲章受章を機に、今後、同名誉教授が監修された『JAPAN ECHO』掲載の文化シリーズをアーカイブとして順次、再掲していく計画です。

富士山