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「注文をまちがえる料理店」実行委員長に「革新的な価値創造」賞
[2018.06.07]

昨年9月の敬老の日に六本木ヒルズに出店した認知症の人が接客する「注文をまちがえる料理店」で実行委員長を務めた介護問題専門家・和田行男氏が4月20日、第14回ヘルシー・ソサエティ賞(パイオニア部門)を受賞した。

「注文をまちがえる料理店」はテレビ局ディレクターだった小国士朗氏が発案した「注文を間違えてもお客さんが笑って受け入れてくれる」をコンセプトとするレストラン。昨年9月のイベントは 1)認知症の人がレストランで働いたら大混乱が起きるかもしれない、2)逆に何の間違いも起きなければ間違いを期待して来店した客が怒り出すのではないか、3)そもそもそうした症状に着目したイベントは「不謹慎」と批判される恐れがある―といった想定される大きなリスクを乗り越えて実現したという。資金調達にはクラウドファウンディングを利用した。

実行委は介護、飲食からITまで各分野で一流のメンバーを集め有名店の特別メニューをそろえた。注文を間違えても料理のおいしさは間違いないという安心感によって認知症スタッフを支えた。当日、レストランのイベントとして行われたチェロ奏者の夫と若年性認知症のピアニストの妻による生演奏では涙ぐむ客の姿もみられ、イベントは好評のうちに幕を閉じた。同事業はその後、クラウドファンディングのサイト(READYFOR)から「【認知症の方と作る「注文をまちがえる料理店」広がれてへぺろの輪】として2017年の大賞を受賞。各地に同様のカフェなどの展開が広がっており、この5月上旬にも静岡県御殿場市で「注文をまちがえる料理店atとらや工房」を開催した。

和田氏は1999年から東京都初のグループホーム「こもれび」で施設長を務め、「認知症になっても、最期まで自分らしく生きていく姿を支える」を信念に、それまでの認知症ケアとは異なるアプローチに挑戦してきた。昨年は認知症高齢者が働ける場、社会とつながることができる場として「注文をまちがえる料理店」を企画し、「認知症高齢者は社会参加が可能であること」を世の中に強くアピールし「認知症に対する見方、社会のあり方について考えるきっかけを人々に与えた」と評価されている。

「認知症は世の中を変える、そう信じている」

和田氏は同賞のプレスリリースの中で、「注文と違うものが出てきても、腹も立たない。そういう流れの先に、認知症の人が働く『注文をまちがえる料理店』のイベントが実現した。喜劇より愉しいですよ。認知症は世の中を変える、そう信じている」と語る。

同賞は日本看護協会とジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループが病気対応や健康保持の取り組みのうち、「これまでになかった革新的な取り組みによって新しい価値を創造」している者を対象として顕彰している。

文/ 編集部

バナー写真/ 第14回ヘルシー・ソサエティ賞受賞時の和田行男氏(プレスリリースから)

  • [2018.06.07]
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