ニッポンドットコム「メディア塾」が終了
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若いメディア志望者を育てるため、現役のジャーナリストたちが6回にわたって講義する「メディア塾」(公益財団法人「ニッポンドットコム」主催)が、12月14日に終了した。受講者からは、「ジャーナリズムの世界のプロから、同じ空間で直接話を伺う機会があったことを幸運に思う」(慶応義塾大学3年、男性)などの声が寄せられた。
テレビ、通信社、新聞社、出版社出身の講師が取材体験をもとに、9月下旬から3か月間、隔週で連続講座を開き、10数人の受講者や聴講者とメディア、ジャーナリズムについて、毎回2時間余り熱心に語り合った。各回のテーマは実に多彩で、受講者らはそれぞれの分野の貴重な話を聞くことができたようだ。
- 第1回「映像ドキュメンタリー」手嶋龍一・元NHKワシントン支局長
- 第2回「通信社の機能―経済取材を中心に」谷定文・元時事通信編集局長
- 第3回「戦争取材」野嶋剛・元朝日新聞台北支局長、イラク戦争従軍記者
- 第4回「検察特捜事件」小俣一平・元NHK社会部検察担当
- 第5回「事実を刻む―昭和最後の日」斉藤勝久・元読売新聞社会部皇室担当
- 第6回「雑誌ジャーナリズム」四方田隆・元週刊新潮編集部副部長
今回のメディア塾が教えてくれたこと
ネット時代を反映して、受講者も多彩だった。多言語発信のニッポンドットコムのセミナーらしく、東京で働くフランスや台湾の20歳代の男女も参加した。在住のドイツ・ミュンヘンから塾に出席するため通った日本人男性(30歳代前半)は皆勤で、こんな感想を送ってくれた。
「インターネットの普及で、メディアの在り方が再び大きく変わろうとしている中で、ネット時代到来の前に活躍した記者らがネット世代に向けて、培ってきたノウハウを教えてくれた。限られた時間で正確に書くことがいかに難しいか。速報性と正確性と報道倫理を並立させるよう、ジャーナリズムは努めなければならない。取材を行う上で、人脈や人付き合いがどれほど大切かも伝えていただいた。フェイクニュースが問題視される昨今だが、ネットを中心としたニューメディアは、先輩たちが築き上げてきたノウハウをもっと学び、活用する必要があることを、今回のメディア塾は教えてくれた」
また、受講者から「ぜひ今後とも若手のジャーナリスト希望者に、このような企画が実施されることを願います」という要望もあった。
バナー写真:四方田隆講師による雑誌ジャーナリズムについての第6回講座=2018年12月14日、東京・虎ノ門のニッポンドットコム