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[ニュース]ドローン、災害時の主役に=ロボット実証実験も-自治体や企業・東日本大震災7年
[2018.03.18]

東日本大震災以降、災害時にドローン(小型無人飛行機)を使って被害確認や物資輸送などを目指す動きが自治体などで広がっている。人が立ち入ることができない場所でも作業できる災害用ロボットの開発も進み、実証実験の環境も整いつつある。

国家戦略特区に指定された仙台市では、全国瞬時警報システム(Jアラート)を受信すると自動で飛行を始め、上空からスピーカーで避難を促すドローンの実証実験を行っている。ヘリコプターに比べプロペラ音が小さく、音声が通りやすいという。

震災時には、避難を呼び掛けていた市職員と消防団員計5人が津波で亡くなった。市危機管理課の武藤浩二主幹(46)は「ドローンであれば津波や渋滞に巻き込まれるリスクもない。南海トラフ地震の発生も予想され、早期に実用化したい」と話し、数年以内の運用開始を目指している。

上空からスピーカーで津波避難を呼び掛けるドローンの実証実験=2016年11月5日、仙台市若林区(仙台市提供)

上空からスピーカーで津波避難を呼び掛けるドローンの実証実験=2016年11月5日、仙台市若林区(仙台市提供)

福島県南相馬市で昨年6月に発生した山林火災では、実際に市消防団のドローンが活躍した。視界不良で飛べない防災ヘリに代えてドローンを飛ばし、伝送された映像で現場を特定。地上部隊が上空のドローンを目印に現場に向かい、消火活動を行った。

一方、災害用ロボットの用途は、がれき撤去や被災者捜索、水中探査など多岐にわたり、東京電力福島第1原発では原子炉内部の調査に使われている。ただ、汎用(はんよう)性がなく高価な点がネックで、市場投入は遅れている。

三菱重工業は、トンネル事故など引火性ガスが充満する中でも作業できる遠隔操縦ロボットを開発した。自らが発火源にならない防爆性能を備え、障害物も乗り越えて走行できる。しかし、完全受注生産で価格は5000万円。災害対応に限定しても売れないため、プラント点検にも活用できるよう改良した。

開発を主導した原子力事業部の大西献技監・主幹技師(55)は「災害対応ロボットのニーズは高いが、マーケットが小さく売れない。国が予算を投入するなど、開発を支援してほしい」と話す。

こうしたロボットの開発には実証実験を行う施設が不可欠で、福島県は南相馬市と浪江町に大規模試験場「ロボットテストフィールド」の整備を進める。2018年度から一部使用開始する予定だ。震災で大きな被害を受けた沿岸部にロボット産業を集積し、復興につなげる狙いもある。

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

  • [2018.03.18]
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