食べるのがもったいない! 美しすぎる「お刺身アート」職人は素人!? “盛り付け”のコツを聞いた

・きっかけは息子の教育。趣味の“魚捌き”を極めるうちに新しい盛り付けが誕生
・織姫と彦星の3部作『七夕の再会』もお見事!
・「スカートや長い髪といった女性モチーフの方が刺身を盛り付けやすい」

目と舌で味わう

新鮮な魚を一番おいしく食べる方法は、やはり刺身だろう。
マグロやタイ、サーモン、ブリなど、数種の魚が色とりどりに並んだ舟盛りを見ると心が弾む。

その刺身を“何か”に見立てて盛り付ける「お刺身アート」が、いまインスタグラムで注目を集めている。
刺身の概念を覆すような作品をご覧あれ!

【マーメイド】
マダイの刺身で作ったのは、海の中を優雅に泳ぐ人魚。厚みのある部分で豊かな髪を、薄い部分でヒレの繊細さを見事に表現している。
左下のカニ(よく見ると2匹いるぞ!)と白い魚は、1つのラディッシュから切り出したという。
キュウリの海藻やオレンジパプリカの珊瑚も彩りを添える楽しい一皿だ。


作者のmikyoui00さんは、これまでインスタグラムに220を超える投稿をしているが、そのほとんどすべてがお刺身の写真。

作品には、多くのユーザーから“いいね”と「刺身でこんなにキレイなものが作れるなんて…凄すぎて叫びました」「センスの塊。見惚れる」「弟子にしてください!」といったコメントが寄せられている。

ひょっとして板前さんなのだろうか?と思いきや、プロフィール欄には「素人がお魚捌いて盛り付けてます」の文字が。
写真をさかのぼっていくと、初期の投稿には一般的な「姿作り」や「薄造り」の写真が並んでいた。

次第にツルやハトなどの鳥をかたどった薄造りが見られるようになり、今年6月、ほのかなピンク色をしたヒゲソリダイの刺身のドレスをまとった花嫁(女性の横顔とベールは塩で表現!)の投稿をきっかけに、人物や動物(金魚、フラミンゴ、貴婦人、不死鳥、花火を見上げる犬…など)をモチーフにしたお刺身アート作品を作っている。

どれも食べるのがもったいないほど美しいが、お刺身アートのファンたちから特に大きな反響を得た作品がある。

七夕の再会

左:彦星  右:織姫6月26日に投稿されたのは、ヘダイ・ハマチ・ヒゲソリダイで作られた織姫。
魚の皮の模様が、風になびく髪に陰影を持たせ、着物の柄にもなっている。
2日後の28日には、ヘダイ・ハマチ・イサキでできた彦星が登場。織姫が伸ばした手を取ろうとしているようだが…!?

そして、7月1日「1週間早く会えたみたいです」という粋なコメントとともに、再会のよろこびを分かち合う2人の姿が。
3皿で1つの物語が完成する感動の作品だ。

「姿造り」では反応が薄く「お刺身アート」へ

趣向を凝らした一皿を生み出し続けるmikyoui00さんに、「お刺身アート」誕生のきっかけや調理のポイントを聞いた。

ーー「素人」とのことですが、魚を捌くようになったのはいつから?

仕事は、アートやデザインとは全く関係ありません。
本格的に捌き始めたのは、昨年の夏からです。小学生の長男に魚の捌き方を教えてあげてるうちに、自分がハマっていました。

ーー捌き方や盛り付けの技はどうやって身に付けた?

捌き方は、YouTubeを中心にネットで検索して勉強しました。
盛り付けは、インスタにプロの職人がいるので、その方がアップしている動画や写真をお手本に練習しています。

ーーなぜ「お刺身アート」を始めた?

2017年の7月から捌いた魚を盛り付けた「姿造り」の写真を投稿しているのですが、なかなか関心を持ってもらえず、女性や海外の方の中には苦手意識を持っている方もいるようでした。
そこで、薄造りを翼を広げた鶴の姿に美しく盛りつける「鶴造り」をもっと別の形にすることで、親しみを持ってもらえないかとかと模索した結果、お刺身アートが生まれました。

完成した作品を見直す度に「人物の腕はもっと細い方が…あの切り方はダメだなぁ〜」と反省しているというが、お気に入りは「カルメンを踊っている女性」の盛り付け。

女性の身体とドレスの上部はヨコスジフエダイ、裾の濃い赤色は、ミナミマグロを使用。
花びらのように広がるドレスと背中のひねり、手の動きに躍動感があふれている。

ーー女性モチーフの作品が多いようですが?

ラブリーな盛り付けをすると小学生の次男が照れるので、おもしろがって作っていました。
今では、スカートや長い髪といった女性モチーフの方が刺身を盛り付けやすいです。作品のアイディアは、テレビやネットで見る季節ネタが多いですね。

ーー制作時間はどれくらい?

比較的簡単なアゲハ蝶の盛り付けなら、魚を捌いた後、5~10分くらいでしょうか。
魚は捌いてから身を寝かせることで旨みが増すのですが、その間にアイデアをまとめて盛り付けとなると、3日以上かかる場合もあります。

ーー調理のこだわりは?

食材に関していうと、作品に使用している魚は地産地消や鮮度を重視して、できるだけ愛媛産にしています。
ほとんどは近所のスーパーで購入していますが、自分で釣った魚もありますよ。
飾りのエディブルフラワーは、産直市で購入したものの他、庭に咲いているものも使っています。

捌く時には、包丁をよく研ぐことが大切です。細かい動きも表現する盛り付けでは、先の細い箸を使っています。
また、時間がかかるとお刺身が美味しくなくなるので、手早く盛り付けるようにしています。

完成した作品を食べるのは名残惜しそうだが、「普通に醤油をつけて食べますよ。皮付きの身はバーナーで炙ったり、しゃぶしゃぶにしています」と、家族でおいしく頂いているようだ。

今後は「変わった魚を見つけたら捌いてみたい」といい、挑戦してみたいモチーフは「ガンダムですかね(笑)」と答えてくれた。
小学生の息子さんたちも喜んでくれるに違いないが、あの複雑な巨体をどう表現するのか…期待が高まる。
最新作は、mikyoui00さんのインスタグラムをチェック! 食卓が華やかになるお刺身アート、あなたも記念日やお祝いなど特別な日に挑戦してみては?

(画像:mikyoui00さんのインスタグラムアカウントより) 

(FNNプライムオンライン7月18日掲載。元記事はこちら

https://www.fnn.jp/

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