古都・奈良の桜名所巡り:奈良公園・郡山城・又兵衛桜・吉野山【動画】

映像

古都・奈良には「桜の聖地」と呼ばれる吉野山を筆頭に、歴史ある花見名所が数多くある。東大寺や春日大社など世界遺産が点在する奈良公園、石垣を桜が彩る郡山城、巨大な一本桜の又兵衛桜など、魅力的な桜景色を動画と共に紹介する。

 

奈良公園と東大寺、春日大社を薄紅色に彩る

奈良観光の定番スポット「奈良公園」(奈良市)では、660ヘクタールの広大な敷地に県花のナラノヤエザクラをはじめ、ソメイヨシノやヤマザクラなど約1700本の桜が花を咲かせる。品種が豊富なため、3月下旬から4月下旬までの長期間花見を楽しめ、「さくら名所100選」にも選出されている。

園内には東大寺や春日大社などユネスコの世界文化遺産の構成資産となる寺社、奈良国立博物館といった文化施設が点在している。春日大社の使者である鹿との共演や、歴史ある建物を背景に咲く姿など、多様な桜の魅力を感じられる場所だ。

奈良公園の名物・鹿と美しい桜に癒される
奈良公園の名物・鹿と美しい桜に癒される

「奈良の大仏さま」が鎮座する東大寺大仏殿と桜の共演
「奈良の大仏さま」が鎮座する東大寺大仏殿と桜の共演

東大寺で一番古い建造物で、奈良時代に建てられた三月堂(法華堂)を桜が彩る
東大寺で一番古い建造物で、奈良時代に建てられた三月堂(法華堂)を桜が彩る

春日大社の朱色の山門前に咲くシダレザクラ
春日大社の朱色の山門前に咲くシダレザクラ

奈良国立博物館の仏教美術資料研究センターとして使用されている旧奈良県物産陳列所。国の重要文化財に指定される近代和風建築に、桜が趣を添える
奈良国立博物館の仏教美術資料研究センターとして使用されている旧奈良県物産陳列所。国の重要文化財に指定される近代和風建築に、桜が趣を添える

城跡の桜名所と巨大な一本桜

城郭に咲く桜を楽しめるのが、郡山城跡(大和郡山市)。1580年に戦国大名の筒井順慶(じゅんけい)が築城し、豊臣秀長が入城した後、江戸時代には郡山藩の藩主が居城とした。明治初期に建造物は取り壊され、本丸の石垣と堀のみが現存する。1980年代に追手門(梅林門)と2つの櫓(やぐら)が復元され、2017年には天守台展望施設も公開された。櫓や石垣をあでやかに飾るシダレザクラが有名で、城内には約800本の桜が咲き誇り、「さくら名所100選」に選ばれている。毎年開催される「大和郡山お城まつり」は、甲冑を身にまとった武将たちが練り歩く「時代行列」やライトアップなどが行われ、たくさんの見物客でにぎわう。

優雅なシダレザクラが櫓と堀を飾る郡山城跡
優雅なシダレザクラが櫓と堀を飾る郡山城跡

樹齢300年と推定される一本桜で、樹高は13メートル、幹の周囲は3メートルを超える「又兵衛桜」(宇陀市大宇陀本郷)。大坂の陣で奮闘した戦国武将・後藤又兵衛が落ち延びて、この地で生涯を終えたという伝説にちなみ、「又兵衛桜」の愛称で親しまれている。春には、薄紅色の花が滝のように咲き乱れるので「本郷の瀧桜」とも呼ばれる。

迫力ある又兵衛桜。その後ろに咲く鮮やかな桃の花が色を添える
迫力ある又兵衛桜。その後ろに咲く鮮やかな桃の花が色を添える

「一目千本」の豪華な花見ができる吉野山

日本でも屈指の桜の名所、吉野山。シロヤマザクラを中心に約200種3万本の桜が山の斜面を覆い、桜色の大パノラマを描き出す。一目見れば千本もの桜が視界に飛び込んでくるほどの壮観で「一目千本桜」と呼ばれる。

上空から眺めた吉野山の桜
上空から眺めた吉野山の桜

吉野の桜の起源は1300年以上前にさかのぼる。修験道の開祖といわれる役行者(えんのぎょうじゃ)が、厳しい修行の末に出現した蔵王権現の姿をヤマザクラの木に刻んだことが始まりとされる。蔵王権現を信仰する後世の人々が桜を植樹し、いつしか山全体が桜色に染まるようになった。

麓から「下千本」「中千本」「上千本」「奥千本」と山道をゆっくりと上るように桜が開花していくため、見頃は4月初旬から末にかけて1カ月にわたって続く。下千本は見上げるように、奥千本は山頂の展望台から見下ろすように楽しむのがおすすめだ。

密集して咲く桜は、まさに一目千本
密集して咲く桜は、まさに一目千本

取材・文・動画=藤井 和幸(96BOX)
写真=黒岩 正和、藤井 和幸(96BOX)
(バナー写真=東大寺大仏殿と桜)

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