【トイレの扉】BOP ライカ北紀行 —函館— 第20回

函館のジャズスポット「BOP(バップ)」。ニューヨークから久しぶりに日本に里帰りした若き日のジャズピアニスト秋吉敏子が、くろぐろとマジックでサインしたトイレの扉がある。さらにジョン・コルトレーン直筆のサイン入り写真も。東京公演の楽屋に、店主・松浦善治さんがきびしい警備を突破してもぐりこみ、ぽつねんと座っていた巨匠に書いてもらったものだ。翌年、コルトレーンは世を去った。

トイレの扉にジャズマンのサインがびっしり。(上)コルトレーン、(下)秋吉敏子
トイレの扉にジャズマンのサインがびっしり。(上)コルトレーン、(下)秋吉敏子

全国のジャズファンとプレイヤーの血をさわがせたBOPは、一度火事で焼け出された。が、ファンの後押しで別な場所で再開し、半世紀の時を刻む。2人のサインはいずれも火からのがれ、今でも拝むことができるのだ。

BOPファンがつどう。右端・店主の松浦さん(2018)
BOPファンがつどう。右端・店主の松浦さん(2018)

●道案内
市電「新川町」下車、徒歩3分(地図へ) 

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