【生涯漁師】入舟漁港 ライカ北紀行 —函館— 第23回

子供のころ、高い岩からとびこんだり、潜っては鋭いヤスでタナゴを突いたり……と、遊びに夢中。気がつけば潮が満ち満ち波も出ていた。岩伝いに戻れない。で、夕やみ迫るなか、ガキ大将を先頭に切り立った崖をよじ登った。

函館山のふもとの立待岬に立ち寄るたびに、幼いころの冒険心、いや無鉄砲を思うのだ。

むかしもいまも、函館山のまわりの海はウニ、アワビの好漁場。小舟をひとりあやつり、箱メガネで海の底をのぞきこみ長い棹(さお)でウニを探る。漁師の熟練のわざが冴える。海峡からのぼる朝日にべた凪(なぎ)の海がかがやいていた。

ウニ漁(2004)
ウニ漁(2004)

沖縄の海を潜っていたスキューバダイビングの先生が、今は函館のウニ漁師、背が高くスリムな鈴木清弘さん。漁師になって10年、双子が保育園に通う。かわいい奥さんは、沖縄での教え子であった。

生涯漁師・鈴木清弘さん(2014)
生涯漁師・鈴木清弘さん。当時、双子はまだ奥さんのおなかの中に(2014)

毎朝6時ごろ、漁港から小舟をはしらせ5分ほどの前浜へ。ウニ、その次はカレイ、秋風が吹けばアワビ漁だ。海藻も育ち、海の環境は良いという。ウニ漁師の最年長は83歳、最年少35歳のご本人も生涯現役の漁師をめざす。

持ち船「清丸」。 1隻ふえて3隻となった(2019)
持ち船「清丸」。 1隻ふえて3隻となった(2019)

●道案内

入舟漁港 市電「函館どつく前」下車、徒歩5分(地図へ

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