【のらいぬCafé】 ライカ北紀行 —函館— 第37回

美味い、美味いの2乗、3乗! パフェ・ピーチメルバ。ここは千疋屋か。否、東京・銀座にあらず、北国の漁港。

函館山のふもと、イカ釣り漁船やウニ・アワビとりの小舟がつらなる入舟漁港。ここにレトロでアートな隠れ家、「のらいぬ」が 4年まえに野良犬のごとく忽然と現われた。漁具店のガレージを改装し、電話も無く予約も不可だ。

のらいぬ(2019)
のらいぬ(2019)

佐渡生まれの眞藤雅通さんが、北海道や大阪で料理修業し、2009年、古里にもどり佐渡金山の元社宅にカフェをオープンした。店名のいわれは、黒澤明監督・三船敏郎主演の映画『野良犬』から。佐渡の食材を使ったスープカレーなどに多くのファンがいたが、奥さんの出身地・函館に移り住んだ。

版画と薪ストーブ
版画と薪ストーブ

初夏の心地よい風が吹きぬけ、ホーホケキョと鶯がさえずるなか、開店30分まえから行列ができていた。我らのまえには若い女性7~8人、なにしろ1組3人以上はお断りの10席ほどの小さな店。我ら爺さん婆さんはぎりぎり滑りこみセーフであった。

生ハムとクリームチーズのサンドイッチにがぶりと食らいつく。これも逸品。つぎに本日限定の飛びあがるほど美味なピーチメルバ。さらにオリジナルブレンド珈琲。エスプレッソのごとく濃いが、喉ごしは軽やか。満足のひと言。

裸電球もアート
裸電球もアート

佐渡で開業し、函館の町はずれで10年目をむかえた。奥さんによれば、旦那は漁師町風情がお気に入りだとか。

イカの一夜干し 入舟漁港
イカの一夜干し 入舟漁港

●道案内
のらいぬ 市電「函館どつく前」下車、徒歩5分(地図へ

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