日本三景 松島:遊覧船から島々の絶景を眺める

・大小260余りの島々を間近で見られる
・仁王島や鐘島など名高い島を巡る
・所要時間は約50分とコンパクト

松島湾巡りの定番「仁王丸コース」に乗船

大小260余りの島々が織りなす絶景で名高い「松島」は、京都北部の「天橋立」、厳島神社のある広島の「宮島」と並んで日本三景に数えられる。万葉の頃より歌枕の地として知られ、江戸時代には俳聖・松尾芭蕉が紀行『おくのほそ道』において、訪問を最も楽しみにしていた場所だ。

そんな名勝を楽しむのにおすすめなのが、松島湾を巡る遊覧船。「仙台藩主・伊達政宗の愛した島」をはじめ、各島の逸話や名前の由来などを船内放送で聞きながら、多島美を海上から間近で眺めることができる。

伊達政宗が造営した五大堂が目印 写真提供:宮城県経済商工観光部観光課

船の発着場「観光桟橋」は、松島のシンボルとして知られる五大堂の近くにある。運営するのは「松島島巡り観光船」で、松島湾内を約50分で一周する定番の「仁王丸コース」が人気。発券所でのチケット購入の他、インターネットで予約をすれば割引の特典もある。

第三仁王丸 写真提供:松島島巡り観光船

仁王丸。松島の絶景を船上から眺めよう

出航は午前9時から午後4時までの18便(冬期間は17便)で、船が出せない荒天時以外は年中無休で運行する。乗船する船は、300名定員の「仁王丸」と400名定員の「第三仁王丸」。見晴らしの良い2階は、いずれもグリーン室となっている。

2階のグリーン室。ソファ席になっていてゆったりとくつろげる

観光桟橋を出発した船は、五大堂を背にしながら、大きな赤い橋が架かる福浦島を過ぎ、やがて2つの島が寄り添うように並ぶ「双子島」へ。さらに沖へ進むと、政宗お気に入りの島として知られる「千貫島」が見えてくる。島名は「あの島を余の館(やかた)まで運んだ者には銭千貫をやろう」という、独眼竜の戯れに由来する。

伊達政宗にまつわるエピソードが残る「千貫島」 写真提供:松島観光協会

波が彫り上げた、島々の趣深い表情

4つの大きな穴が開いている鐘島 写真提供:宮城県経済商工観光部観光課

湾内をさらに進むと、「材木島」や「鐘島」、そして「仁王島」と、松島湾を代表する名所が続く。特に仁王島は、長年の波の浸食によって、仁王が葉巻をくゆらしているような姿をしており、とても印象的だ。そこを過ぎたあたりで船は旋回し、帰路へと向かう。塩竈市に位置する「桂島」や「寒風沢島(さぶさわしま)」などを通り過ぎ、再び千貫島が見えてくれば、着船も間近となる。

仁王像のような形状の仁王島 写真提供:宮城県経済商工観光部観光課

松島島巡り観光船では、短時間で湾内を巡るBコース(約25分)やCコース(約40分)も運行しており、時間の限られた観光客にも対応している。

【DATA】

松島島巡り観光船

  • 住所:宮城県宮城郡松島町松島町内85
  • アクセス:JR「松島海岸駅」から徒歩7
  • TEL022-354-2233
  • 営業時間:仁王丸コース/午前9時~午後4時(113月は午後3時まで、GWや夏休みは午後430分まで)
  • 定休日:なし(悪天候時は運休)
  • 料金:仁王丸コース/大人1500円、小人750円(2階グリーン室は大人2100円、小人1050円)
  • 多言語対応:パンフレット=英語/中国語(簡体・繁体)/韓国語、大型定期船の船内ガイド放送=英語(団体の場合は中国語・韓国語にも対応)、情報端末=英語、中国語(簡体・繁体)、韓国語、フランス語、ロシア語、スペイン語

●周辺情報
福浦島

真っ赤な橋と紺碧(こんぺき)の海、緑豊かな自然のコントラストは福浦島ならでは 写真提供:松島観光協会

松島の景色を海側から楽しむのなら、「福浦島」もおすすめ。松島海岸の東に位置し、全長252メートルの朱塗りの橋で陸と結ばれる広さ約6ヘクタールの島だ。島の中には遊歩道が設けられているので小1時間で一周することができ、随所で素晴らしい眺望に出会える。植生が豊かで約250種の草木が茂り、貝塚や弁財天など歴史深い史跡が残っているので、ゆったりと散策するのも楽しい。

【DATA】

  • 住所:宮城県松島町松島仙随39-1
  • アクセス:JR「松島海岸駅」から徒歩15
  • TEL022-354-5708(松島町産業観光課)
  • 営業時間:午前8時~午後5時まで(冬期は午後430分まで)
  • 定休日:なし
  • 料金:大人200円、小人100
  • 多言語対応:ホームページ(松島観光協会)=英語/韓国語/中国語(簡体・繁体)

取材・文=シュープレス

(バナー写真=松島湾を航行する遊覧船。写真提供:宮城県経済商工観光部観光課)

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