キリンビール仙台工場&笹かま館:工場見学ツアーで乾杯!【2】

製造現場を見学した後に試飲ができる“大人の工場見学”が、近年人気となっている宮城県仙台市。ビール造りを五感で楽しむ「キリンビール仙台工場」の見学ツアーと、酒のつまみになる仙台名物「笹かまぼこ」の手作り体験教室を紹介する。

人気銘柄を生み出すキリンビール仙台工場

“日本の新たな定番ビール”を目標に、キリンビールが1990年に発売した「一番搾り」。今では日本を代表するビールの一つとなり、世界40カ国においても「KIRIN ICHIBAN」の名称で販売している。 

「一番搾り」をはじめとする主要商品を製造する「キリンビール仙台工場」(宮城野区)では、ガイド付きの無料見学ツアーが好評で、特に外国人観光客の来場者数の伸びは著しいという。JR仙石線「多賀城」駅から無料シャトルバスが運行しているので、出来たてのビールを味わいたい人は利用しよう。

見学ツアーはインターネットや電話で事前に予約が必要 写真提供:キリンビール仙台工場
見学ツアーはインターネットや電話で事前に予約が必要 写真提供:キリンビール仙台工場

ビールづくりを体感する見学ツアー

見学ツアーは、午前9時30分から午後3時30分まで30分ごとにスタート。所要時間は見学50分、試飲20分の合計70分となる。

キリンの工場見学は、ビールのおいしさの秘密を五感で理解できるのが特徴だ。工程解説の随所に、香りを嗅ぎ、触れ、味わうといった工夫が取り入れている。ビールの原料となる麦芽(ばくが)を試食したり、0~1度に保たれた貯蔵タンクの冷たい表面に触れたりと、製造現場ならではの体験が楽しい。

長さ19 メートルの貯蔵タンクの脇を歩くトンネル 写真提供:キリンビール仙台工場
長さ19 メートルの貯蔵タンクの脇を歩くトンネル 写真提供:キリンビール仙台工場

ビールの原料の一つ、ホップの香りを嗅ぐ 写真提供:キリンビール仙台工場
ビールの原料の一つ、ホップの香りを嗅ぐ 写真提供:キリンビール仙台工場

めったに飲むことができない「麦汁(ばくじゅう)」の試飲コーナーもある。麦汁は、麦芽を砕いておかゆ状にした「もろみ」をろ過したもの。一般的なビールは、もろみを一度ろ過した一番麦汁と、同じもろみを再度ろ過して出た二番麦汁を混ぜてつくられるが、一番搾りは一番麦汁だけを使用する。飲み比べると、一番麦汁はうまみが深く、濃厚であることに驚くだろう。

麦芽を煮込んでつくった麦汁に、ホップを加えることでビール独特の香りと苦みが出てくる 写真提供:キリンビール仙台工場
麦芽を煮込んでつくった麦汁に、ホップを加えることでビール独特の香りと苦みが出てくる 写真提供:キリンビール仙台工場

麦汁の飲み比べ。味の違いをはっきりと感じる 写真提供:キリンビール仙台工場
麦汁の飲み比べ。味の違いをはっきりと感じる 写真提供:キリンビール仙台工場

できたてのビールが思う存分味わえる

見学ツアーを終えると、お待ちかねの試飲タイム。20分間で1人3杯まで試飲でき、おつまみが付くのもうれしい。「一番搾り」と「一番搾り 黒生」の他、季節商品やノンアルコールビールなど3種類が用意され、ソフトドリンクも種類豊富にそろう。

構内には、地場野菜を使ったヘルシーな総菜が並ぶビュッフェスタイルのレストラン「キリンビアポート仙台」もある。もちろん出来たての新鮮なビールも味わえるので、「もう一杯!」という人は立ち寄ってみては。

お待ちかねの試飲タイム 写真提供:キリンビール仙台工場
お待ちかねの試飲タイム 写真提供:キリンビール仙台工場

「キリンビアポート仙台」のランチは午前11時〜午後4時、ディナーは午後4時〜10時。ラストオーダーは各30分前まで 写真提供:キリンビール仙台工場
「キリンビアポート仙台」のランチは午前11時〜午後4時、ディナーは午後4時〜10時。ラストオーダーは各30分前まで 写真提供:キリンビール仙台工場

ゲストホールの一角にはファクトリーショップもある 写真提供:キリンビール仙台工場
ゲストホールの一角にはファクトリーショップもある 写真提供:キリンビール仙台工場

【DATA】

  • 住所:宮城県仙台市宮城野区港2-2-1
  • アクセス:JR仙台駅から車で40分(JR多賀城駅から無料シャトルバス運行)
  • TEL:022-254-2992(レストラン:022-387-7811)
  • 営業時間:午前9時〜午後4時40分(見学案内は、午前9時30分~午後3時30分)
  • 定休日:月曜(祝日の場合は翌平日)
  • 料金:見学無料 レストランはランチビュッフェ1300円(税込)、ディナービュッフェ2000円(税込)

●周辺情報

鐘崎 笹かま館

仙台の代表的なみやげ物「笹かまぼこ」 写真提供:鐘崎
仙台の代表的なみやげ物「笹かまぼこ」 写真提供:鐘崎

酒のお供に最適な仙台名物といえば、キチジやタラのすり身を笹の葉形に焼いた「笹かまぼこ」。「鐘崎 笹かま館」は、隣接するかまぼこ工場の作業風景や、昔ながらの製法で焼き上げる職人の姿を見学できるアミューズメントパークだ。

特におすすめなのが、「笹かま手作り体験教室」。スタッフに教わりながら、魚のすり身をこねて、竹串を刺し、成型してから火にかざす。できたては香ばしく弾力がある上に、自分で作ったのだからおいしさも格別である。

手作り体験、工場見学ともに要予約 写真提供:鐘崎
手作り体験、工場見学ともに要予約 写真提供:鐘崎

【DATA】

  • 住所:宮城県仙台市若林区鶴代町6-65
  • アクセス:JR仙台駅から車で20~30分
  • TEL:022-238-7170
  • 営業時間:午前9時30分~午後6時
  • 定休日:不定休
  • 入館料:無料
  • 笹かま手作り体験教室:完全予約制(公式ホームページ)。所要時間45分で、1日5回開催。参加料金は700円

取材・文=シュープレス
(バナー写真=一番搾りの生産ライン。稼働していないタイミングがあるので、見学したい人は事前に確認しよう 写真提供:キリンビール仙台工場)

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