夜景評論家・丸々もとおが選ぶ「夜景スポット5」

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街の灯りと自然が作り出すロマンチックな夜景。同じ場所でも季節や天気によって姿を変えるため、"今"を楽しめるのも醍醐味です。

様々な専門家が役立つ生活情報を提供する番組「なないろ日和!」(テレビ東京系列、毎週月~木 午前9時26分~放送中)から、夜景評論家の丸々もとおさんが登場。日本全国の夜景やイルミネーションを見て回り、自らプロデュースも行っている丸々さんがオススメする「夜景スポット厳選5」を教えてもらいました。

インスタ映え間違いなし! 横浜の夜景をひとり占め

提供:日本夜景遺産事務局
提供:日本夜景遺産事務局

横浜港大さん橋国際客船ターミナル(神奈川県横浜市)

24時間、365日開放されており、桟橋の屋上にある展望施設から横浜港を360度見渡せる。横浜ベイブリッジ、赤レンガ倉庫、横浜コスモワールドなど横浜らしい景色が網羅できる。

「横浜は夜景作りに力を入れていて、特に今冬は地上からサーチライトを天空に照らしたり、プロジェクションマッピングを行ったりと、スペシャルなことがたくさん。それらを高台からまとめて楽しめます」(丸々もとおさん、以下同)

【丸々さんオススメの楽しみ方】
「黄昏からブルーモーメントで海も青く染まってきたところで観覧車や赤レンガの光が目立ち始める。その色彩の移ろいがとてもステキです」

丸々さんがプロデュースする感動体験型イルミネーション「横浜港フォトジェニックイルミネーション」を開催中(~2020年3月31日(火)まで)。発展するみなとみらいの夜景を切り取るギフトボックス、夜空に白く輝く横浜ベイブリッジを切り取るフォトフレームなどを設置。夜景でインスタ映え!

長崎の1,000万ドルの夜景! 夜景の中に夜景を作るプロジェクトも進行中

提供:日本夜景遺産事務局
提供:日本夜景遺産事務局

稲佐山(長崎県長崎市)

独特の地形が造形美を作り出す長崎の夜景は、札幌、北九州と共に「日本新三大夜景」のひとつで、稲佐山からの眺めは「1,000万ドルの夜景」と称される。ロープウェイで上る標高333mの山頂にはガラス張りの展望台もあり、ライトアップされた女神大橋から市街地まで大パノラマが望める。

「長崎の夜景は"地上から立ち上がっている"のが特徴。高台から見ると向こう側が丘陵部なので、目線と同じラインにも夜景が広がっていて、その形態はまさしく唯一無二です。

現在、夜景の中に夜景を作るユニークなプロジェクトが進行中。稲佐山から見下ろした夜景の中に、"夜景灯"という灯りを足していくんです。街灯の上に灯りを上向きに付け、その光を展望台の方に向けます。その光の色をプログラムで変えることで、展望台からはハートや星座など様々な形に見えるシステムで、2020年3月中に始動予定です」

【丸々さんオススメの楽しみ方】
「夜景は、光のキャンバスのようですが、実はキャンバス全部が"光"で埋まっているわけではなく、墓地や公園などの"闇"で切り取られていて、それがハートや動物に見えたりする。そのような"夜景の中の闇を見る"楽しさを存分に味わえるスポットでもあります」

光が面となって広がる札幌の夜景! 雪のある夜景は必見

提供:日本夜景遺産事務局
提供:日本夜景遺産事務局

藻岩山(北海道札幌市)

札幌も、同じく「日本新三大夜景」のひとつ。ロープウェイで上る標高531mの山頂に展望台があり、札幌市内が一望できる。広大な北の大地ならではの平面的で広がりがある夜景が特徴。

「光が面となって広がっているのが北海道ならではの美しさです。今、札幌はどんどん人口が増加しているので、日々灯りが増えているのかもしれません。190万都市・札幌は北海道の中では都会で光が多いイメージですが、その手前にある山々のシルエットも美しいです」

【丸々さんのおススメ楽しみ方】
「この時期といえば、やはり雪。夜景の醍醐味は自然と一体になったところでもあるので、雪のある夜景の美しさを楽しんでください」

夜の富士は絶景! 月明かりで山の雪が白く浮かび上がる

提供:日本夜景遺産事務局
提供:日本夜景遺産事務局

日本平(静岡県静岡市)
駿河湾の沿岸近くにある標高307mの丘陵地・日本平。遠くに仰ぎ見る富士山、眼下に見える清水港、伊豆半島、南アルプスの大パノラマが広がる。2018年11月にできた山頂のスタイリッシュな展望施設「日本平夢テラス」からは360度の眺望が楽しめる。

「日本夜景遺産にも認定されています。なんといっても冬の見どころは"夜の富士山"。特に月が満ちている時が最高で、月明かりで富士山に積もった雪が白く浮かび上がる感じは本当に美しいです」

【丸々さんのおススメ楽しみ方】
「富士山の手前には埠頭のオレンジ色の灯り、市街地の灯り、観覧車があり、"日本"を感じさせる夜景はまるで絵葉書のようです」

究極のリラックス効果! 温泉につかりながら大パノラマを望む

提供:日本夜景遺産事務局
提供:日本夜景遺産事務局

みはらしの丘 みたまの湯 のっぷいの館(山梨県西八代郡)

町営の天然温泉施設。標高370mの高台にあり、さえぎるものがない中で甲府盆地と南アルプス、八ヶ岳連峰などが広がる。また、春は新緑、秋は紅葉、冬の雪景色など季節や時間帯によって異なる風景が楽しめる。

「こちらも日本夜景遺産に認定されたばかり。温泉につかりながら大パノラマを眺められるのがポイント。裸で究極の解放感とリラックス状態で見ることで、体の奥の奥、細胞から夜景に浸っている感覚が楽しめますよ」

【丸々さんのおススメ楽しみ方】
「日没のオレンジ色に染まったところから暮れていくまでを眺めるのもステキです。温泉のほか食事できる施設もあるので長時間快適に楽しめます」

夜景鑑賞の極意と撮影のポイント

これから足を運ぶ人のために、鑑賞の極意と、インスタ映えする写真を撮るためのポイントも。

【鑑賞の極意】視覚の1/3に光、2/3に空
「夜景を楽しむ場合、視覚の1/3に光、2/3に空を入れるのが一番美しいと言われています。光が多すぎると情報量が多すぎて目が疲れてしまうので、リラックスしてスッキリとした夜景を楽しみたいならこのバランスがおすすめです」

【撮影のポイント】ブレを防ぐにはタイマー撮影
「夜景を撮る時はタイマーがオススメ。暗い場所での撮影はシャッタースピードが遅くなるので、シャッターを押す揺れで生じるブレを防ぐことができます。また、ブレ対策としては三脚がオススメですが、なければどこかに置いて撮ったり、人の肩を支えに使うのもいいですね。

逆に、一番やってはいけないのはストロボ。余計な光が入って露出も合わなくなるのでストロボはオフにしましょう。最近はカメラに"夜景モード"という設定があるので、それを使うと手軽に上手に撮れると思いますよ」

取材協力:丸々もとおさん。夜景評論家。夜景プロデューサー。イルミネーションプロデューサー。日本でも唯一無比の夜景評論家として活動。世界最大の光の地上絵、世界最大の光の彫刻、世界最大の水面3Dプロジェクションマッピングを含めた3つのギネス世界記録を持つ。日本各地の夜景観光アドバイザーを歴任している。

オフィシャルHP:【丸々もとおのスーパー夜景サイト】

丸々もとおさんも出演するテレビ東京系列「なないろ日和!」は、様々な専門家が生活に役立つ情報をお届けしています。毎週月~木曜9時26分からの放送をチェック!

(取材・文/伏見香織)

(「テレ東プラス」2020年1月12日掲載。元記事はこちら

https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/

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