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がん患者100万人時代に―がん登録制度で集計 : 男性は胃がん、女性は乳がんトップ

医療・健康 社会

厚生労働省の全国がん登録制度による集計で、2016年にがんと診断された人は約100万人だった。

2016年に新たに「がん」と診断された患者は全国で99万5132人となった。がん医療の質の向上と予防の推進のため、すべての病院にがん患者データの届け出を義務付けた「全国がん登録」制度に基づいて、初めて集計した。

がんと診断された患者のうち、男性が56万6575人、女性が42万8499人だった。部位別では、男性は胃、前立腺、大腸、肺が群を抜いて多く、女性では乳房が全体の2割を超えていた。男女計では大腸が最も多い。食の欧米化が影響していると考えられている。

部位別のがんと診断された患者数(2016年)

  男性 女性 男女計
1 胃      92,691 乳房  94,848 大腸  158,127
2 前立腺 89,717 大腸  68,476 胃   134,650
3 大腸  89,641 胃   41,595 肺   125,454  
4 肺   83,790 肺   41,634 乳房   95,525
5 肝   28,480 子宮  28,076 前立腺  89,717

「全国がん登録の概要」(厚生労働省)を基に編集部作成

人口10万人あたりの患者数は全国で402人だが、都道府県別に見ると、最多の長崎県と最少の沖縄県では約100人の差がある。部位別の患者数で見ると、胃がんは東北地方や日本海側に多く、肝がんは西日本に多いなどの傾向があり、食生活や生活習慣などとの関係を今後、分析していく方針だ。

都道府県別のがんり患率の上位と下位

1 長崎 454.9
2 秋田 446.3
3 香川 436.7
4 北海道 428.2
5 鹿児島 426.4
 
43 静岡 378.5
44 群馬 370.4
45 長野 367.6
46 愛知 367.5
47 沖縄 356.3

数字は人口10万人あたりの患者数
「全国がん登録の概要」(厚生労働省)を基に編集部作成

年齢別では、65歳以上が全体の73.7%を占める。特に、男性は65歳以降急激に増えるのが特徴的だ。女性も60歳代から70歳代にかけて患者数が増えるものの、男性に比べると増え方はなだらかだ。


バナー写真 : PIXTA

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