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百貨店売上高20年前の2/3に : ネット通販やエキナカと競合、かつての主力の衣料品苦戦

経済・ビジネス

百貨店業態の限界? 衣料や家庭用品などかつての花形は売れず、インバウンドの化粧品だけが好調。

全国百貨店協会のまとめによると、2018年の全国百貨店売上高は既存店ベースで前年比0.8%減の5兆8870億円だった。夏場以降に西日本豪雨や北海道地震などの災害が相次ぎ、消費意欲が減退するなどの特殊要因もあったが、1998年には9兆円を超えていた全国売上高が、ここ3年間は6兆円を割り込んでおり、百貨店業態の苦戦は構造問題と言えるだろう。

かつて「百貨店」は、ワンランク上の品揃えをした特別な場所だった。ところが、ネット通販の広がりで、百貨店でなければ買えないものはほとんどなくなった。一流ブランドの服も食器もスマホでポチリと注文すれば翌日には手もとに届く。近年は、鉄道各社が「エキナカ」の商業施設開発に力を入れていることも逆風だ。都心のターミナル駅の「エキナカ」は、食料品や雑貨などを中心に品揃えを充実させ、通勤・通学客の「ついで買い」需要を取り込んでいる。

百貨店売上高を品目別で見ると、インターネット通販との競合が激しい衣料品が3.1%減となったほか、家庭用品も5.7%減と落ち込んだ。食料品も「エキナカ」との競合などで1.9%マイナス。一方で、訪日外国人需要が大きい化粧品は、9.5%増と堅調だった。

インバウンドは年間で購買客数28.6%増の524万人、売上高は25.8%増の3396億円と過去最高を記録した。

バナー写真 : 時事

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