背中のリュック、迷惑です！ : 民営鉄道協会のアンケート調査
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全国73社が加盟する日本民営鉄道協会（民鉄協）が2018年に実施した「駅と電車内のマナーに関するアンケート」調査で、鉄道利用者が迷惑と感じる行為の1位は「荷物の持ち方・置き方」だった。同協会では1999年からマナーアンケートを実施しているが、「荷物の持ち方・置き方」はここ数年でランキングが急上昇した。前年調査で1位だった「騒々しい会話・はしゃぎまわり」は僅差で2位だった。
鉄道利用者が迷惑と感じる行為（％）
| 1 | 荷物の持ち方・置き方 | 37.3 |
| 2 | 騒々しい会話・はしゃぎまわり | 36.9 |
| 3 | 座席の座り方 | 34.5 |
| 4 | 乗降時のマナー | 34.3 |
| 5 | ヘッドホンからの音漏れ | 23.2 |
| 6 | スマートフォンの使い方 | 21.5 |
| 7 | 酔っぱらった状態での乗車 | 15.4 |
| 8 | 車内での化粧 | 15.1 |
| 9 | ゴミ・空き缶等の放置 | 14.2 |
| 10 | 混雑した車内での飲食 | 10.0 |
出所 : 日本民営鉄道協会
（2018年10月1日～11月30日まで協会ウェブサイト上で実施したアンケートで2686人が回答。最大3つまでの複数回答式）
「荷物の持ち方・置き方」のうち、具体的に最も迷惑に感じる行為について聞いたところ、「背中や肩のリュックサック・ショルダーバッグ等」がダントツのトップ。
かつてはレジャー用や、学生が通学用に使っていたリュックだが、最近ではパソコンやA4の書類を収納できる、カッチリしたデザインの「ビジネスリュック」が広く出回っている。ラッシュの電車の中で、リュックの角が背中に押し付けられたまま、次の駅まで身動きが取れずに不快な経験をしたことがある人も少なくないのではないだろうか。「荷物の持ち方・置き方」が迷惑行為ランキングで上昇している背景には、ビジネスリュックの利用者が増えていることとも関係していそうだ。
荷物の持ち方・置き方のうち、最も迷惑に感じる行為は？（％）
| 背中や肩のリュックサック・ショルダーバッグ等 | 66.2 |
| 座席に置かれた荷物 | 9.0 |
| 床に置かれた荷物 | 8.3 |
| 傘（濡れ傘、先端を向けられる等） | 6.1 |
| 乱暴なキャリーバッグの運び方 | 3.9 |
| 扉付近に置かれた荷物 | 2.2 |
出所 : 日本民営鉄道協会
鉄道各社では、電車に乗る時はリュックを前に抱えるか、網棚に載せるよう呼びかけるポスターを作成するなどして、利用者のマナー向上を図っている。
一方、電車や駅の利用で「うれしかった」「心が温まった」と感じた行為について聞いたところ、「小さい子どもを連れて乗車した際に、扉付近のスペースを譲ってくれた。車内が混雑していたので助かった」「外国人の方が、お年寄りに席を譲っているのを見かけた」などの回答があった。
バナー写真 : PIXTA