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ペットボトルのリサイクル率は世界最高水準の84.8% : 軽量化技術も進化

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今や日々の生活になくてはならない存在となったペットボトル飲料。年間227億本ものペットボトルが出荷されており、関連する業界にとってはリサイクルや軽量化が大きな課題だ。

日本で清涼飲料用にペットボトルの使用が認められたのは1982年。それまで主流だったガラス瓶と比べて、軽く、割れづらく、持ち運びしやすい画期的な容器だった。当初は、散乱ごみへの懸念から業界の自主規制で1リットル以上の大容量に限定されていたが、96年に自主規制撤廃で500ミリリットル飲料への使用が解禁されると一気に、広まった。

PETボトルリサイクル推進協議会によると、2017年度のペットボトルの出荷本数は227億本。国民1人あたりに換算すると年間約180本という膨大な数字になる。

主な出来事
1967年頃 米デュポン社、ペットボトルの基礎技術確立
1974 米国で炭酸飲料用に使用開始
1977 日本でしょうゆ500ミリリットル容器として使用開始
1982 食品衛生法の改正で、清涼飲料用にペットボトルの使用認められる
1985 酒類用(焼酎)容器としてペットボトル使用開始
1993 ペットボトルリサイクル推進協議会設立、リサイクルが本格的にスタート
1996 全国清涼飲料工業会が小型ペットボトルの自主規制廃止
1997 容器包装リサイクル法がペットボトルへも適用
2004 使用済みペットボトルの中国への輸出増加
2018 中国政府が生活由来固形廃棄物に関する輸入禁止措置を実施。中国への廃ペットボトルの輸出停止

PETボトルリサイクル推進協議会の公表資料を基に編集部作成

普及の一方で、業界団体ではリサイクルや軽量化によるごみの削減に取り組んでいる。17年度のリサイクル率は84.8%。目標としている「リサイクル率85%維持」にはわずかに及ばなかったものの、欧州の40%強、米国の20%強と比べて日本のリサイクル率は格段と高く、世界最高水準を誇る。

ペットボトルの水を飲んでいて、「あれ?こんなにペコペコした素材だった?」と感じたことはないだろうか。成形技術や充てん技術の進歩で、近年、軽量化も進んでいる。2004年を起点とする軽量化率は17年度時点で23.8%に達した。

例えば、500ミリリットル容量のペットボトルは2004年時点では25~30グラム前後の重さが一般的だったが、最近は20グラムを切るものも増えている。中でも、「南アルプス天然水」(サントリー、550ミリリットル)は11.3グラム、「いろはす」(日本コカ・コーラ、555ミリリットル)は12グラムまで軽量化。さらに、原料の一部に植物由来素材を導入するなど環境配慮を強く打ち出している。

清涼飲料メーカーなどの業界団体・全国清涼飲料連合会は2018年11月に「プラスチック資源循環宣言」を出し、2030年度までにペットボトルの100%有効利用を目指す目標を掲げている。

バナー写真 : PIXTA

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