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おれおれ詐欺、最多の9134件 : 被害者の大半が高齢者

社会

おれおれ詐欺の被害が後を絶たない。被害者への面接調査では、ほとんどの人がおれおれ詐欺の存在を知っていて、6割近い人は「被害に遭わない自信があった」と答えている。「私は大丈夫」という過信は禁物だ。

「おれだけど」などと金に困った息子や孫を装った電話をかけて金銭をだまし取る、おれおれ詐欺の被害件数が2018年、過去10年で最多となった。事件が報道されたり、警察が啓蒙活動を展開したりしてもなお、窮地の子どもを助けたい親心に付け込まれる被害は後を絶たない。

警察庁のまとめによると、2018年のおれおれ詐欺は被害額が前年を下回ったものの、件数ベースでは9134件と7.5%増え、09年以降では最多となった。被害者のほとんどが65歳以上の高齢者で、圧倒的に女性が多かった。被害に遭った人354人を対象にした面接調査によれば、ほぼ全員がおれおれ詐欺の存在を知っており、6割近くが「だまされない自信があった」と答えている。

それでも詐欺と見抜けなかった理由として「息子の声にそっくり」「話がもっともだと感じた」の合計が9割に達した。電話を受けた時の心理状況は「自分が払えば息子を救える」「驚いた」「今日中などと時間を区切られ焦った」が上位を占め、切迫した状況の中で判断を誤った様子がうかがえる。被害金の受け渡しの方法としては、「現金やキャッシュカードを手渡す」がほとんどだった。

また、近年は、おれおれ詐欺に類似した窃盗事件も発生。警察官を装い、「キャッシュカードが不正利用されている」などとして自宅を訪問し、隙を見て被害者が用意したカードを偽物とすり替えて盗む事件が首都圏、大阪で多発しているという。

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