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風疹、大都市部中心に感染拡大:抗体ない男性へのワクチン接種無償化

社会

症状が軽いからといって侮ってはいけない!30代後半~50歳代の男性の皆さん、まずは抗体検査を受けて下さい。自分のためではなく、流行させないために、近くにいる妊婦さんに感染させないために。

風疹の流行が続いている。国立感染症研究所のまとめによると、2月18~24日までの1週間で新たに報告された風疹患者は109人だった。週の患者数が100人を超えたのは今年初めて。2019年に入ってからの累積の患者数は650人となった。東京都、神奈川県、千葉県、大阪府、福岡県などの大都市部で患者数が多い。

風疹は2013年の大流行で患者数が1万4344人となったが、その後は、14年319人、15年163人、16年126人、17年93人と沈静化していた。ところが、18年8月以降、患者数が急増し、18年通年では2917人だった。

流行の中心となっているのは、現在30代後半~50代前半の男性だ。風疹ワクチンは、1977年8月~95年3月までの約18年間、中学生の女子のみを対象に学校での集団予防接種(1回)が行われていた。男児が風疹ワクチンの対象となったのは、95年4月からで、その時点で中学を卒業していた男性はワクチン接種を受ける機会がなかったためだ。

風疹はせきや発熱などを伴うウイルス性の発疹で、症状が重篤になることは少ないため、かぜとの違いに気づかない場合もある。ただ、妊娠20週頃までの女性が感染すると、心臓病や難聴、白内障などの障害を持つ先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれる可能性がある。

政府は、東京オリンピック開催の2020年までに、風疹の国内からの排除を目標として掲げており、1962年4月2日~79年4月1日に生まれた男性を対象に、21年度末まで風疹の抗体検査と予防接種を原則無償化している。

バナー写真:PIXTA

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