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「380人に1人」の人工透析大国ニッポン : 年間医療費1兆6000億円

社会 健康・医療

「健康的で長寿の国」のイメージが強い日本だが、実は、世界有数の人工透析大国であることをご存知だろうか。約380人に1人が人工透析を受けているという。

日本透析医学会の統計調査によると、2017年12月31日末時点の透析患者数は、前年比1.5%増の33万4505人となった。人口100万人あたり透析患者数(有病率)は2640人で、国民378.8人に1人が透析患者であることになる。

米国腎臓データシステム(United State Renal Data System)によれば、世界各国・地域で透析患者の有病率が最も高いのは台湾で、それに次ぐ第2位の日本は世界有数の透析大国ということになる。

日本で透析にかかる医療費は、年間1兆6000億円に上ると推計されており、総医療費の4%を占める。少子高齢化が進む中で、透析患者が増え続ければ、社会保障の財政運営が一段と厳しくなる懸念もある。このため、厚生労働省は2018年7月にまとめた「腎疾患対策検討会報告書」の中で「28年までに、年間新規透析導入患者を3万5000人以下に減少させる」との目標を掲げた。ただ、新規導入患者の増加傾向は続いており、17年も前年より1615人増えて、4万959人だった。

透析に至った原因の推移を見ると、2011年に慢性糸球体腎炎と入れ替わって糖尿病性腎症が第1位となり、その後も割合が増加している。2017年は「糖尿病性腎症」39.0%、慢性糸球体腎炎が27.8%だった。高血圧や加齢による発症する腎硬化症もじわじわと増加し、10.3%となった。

バナー写真:PIXTA

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