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都内の現金の落とし物、過去最高の38億円 : 使い捨て感覚? 傘の遺失届けは2%弱

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日本が世界に誇れることの一つは治安の良さ。2018年は38億円あまりの現金が落とし物として都内の交番や警察署に届けられた。

2018年の1年間に落とし物として都内の交番や警察署などに届けられた現金は前年比2.4%増の38億3900万円だった。3年連続で過去最高額を更新した。一方、遺失届があった額は84億800万円。単純計算すると、遺失届の額の45.7%に相当する額が、拾得物として届け出られた計算だ。見知らぬものが行き交い、互いに無関心そうに見える東京の街も、まだまだ捨てたものではないようだ。

一方、18年の1年間で、持ち主に返還された現金の額は約28億2000万円。持ち主が判明せず拾得者に引き渡された額は約5億円、持ち主が判明せず、拾った人も権利放棄した5億6000万円は東京都の歳入となった。

警視庁が18年に受理した現金も含めた拾得届の総件数も同4.6%増の414万件で過去最高を更新した。拾得物のうち最も多かったのは、運転免許証や健康保険証、クレジットカードなどの「証明書類」の75万2000点。次いで、定期券やICカードなどの「有価証券類」が55万2000点だった。

遺失届と拾得届の件数の相関を見ると、「証明書類」「携帯電話類」など個人情報に関わるものは遺失届が拾得届を上回っている。それ以外は失くしても最初から諦め気分なのか、遺失届は低調。特に、傘は年間34万3725件の拾得に対して、遺失届は2%足らずの6154件だった。コンビニなどでワンコインで買えるビニール傘が普及し、必ず取り戻そうという意識が薄れているのかもしれない。

バナー写真:東京都全域の拾得物が保管される警視庁遺失物センター(時事)

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