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ニセコ、大阪など地価がうなぎ上り—インバウンドの人気スポット

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2019年の公示地価が発表された。訪日外国人の人気スポットである北海道のニセコや那覇、大阪の難波周辺などの地価はうなぎ登りだ。

国土交通省が発表する公示地価は、全国各地で約2万6000地点の価格を1月1日時点で鑑定評価したもの。今年の上昇率を見ると、住宅地では北海道倶知安町山田が前年比50%で1位となったのを始め、ニセコ地区が上位10位のうち3地点占めた。このほか沖縄県那覇市の2地点、名古屋市の5地点。商業地でもニセコ地区の倶知安町南1条西1丁目が1位(同58.8%)。また大阪市の4地点、京都市3地点、那覇市2地点がランクインした。

住宅地の上昇率ランキング

地点 上昇率(%)
1位 倶知安町山田 50
2位 倶知安町北7条西 32.4
3位 那覇市おもろまち 30
4位 倶知安町南3条東 28.6
5位 名古屋市中区栄 26.1

商業地の上昇率ランキング

地点 上昇率(%)
1位 倶知安町南1条西 58.8
2位 大阪市中央区日本橋 44.4
3位 大阪市北区茶屋町 44.2
4位 京都市東山区四条通大和大路東入祇園町北側 43.6
5位 大阪市北区芝田 42.9

ニセコ地区は冬はスキー場、夏は長期滞在地としてアジア諸国やオーストラリアからの観光客が多く、別荘地や投資対象としても人気だ。常夏の沖縄も外国人客が多い。大阪では中国や韓国からの観光客が心斎橋や難波などに殺到。富士通総研の米山秀隆・主席研究員は「大阪は明らかに宿泊施設が不足しており、ホテル用地の確保で商業地の価格が吊り上がっている」とみている。

政府が20年に訪日外国人客4000万人を目標とする中、18年は約3120万人(観光庁調べ)に達した。国別では今年2月時点で中国人が3割近くを占めトップだが、米国との貿易戦争に見舞われている中国で「景気が減速したらインバウンド需要にも影響が出てくる」(米山氏)可能性がある。京都のような常に需要が底堅いスポットはともかくとして、インバウンド人気に依存し過ぎた観光地は将来の地価動向に注意が必要だという。

バナー写真:PIXTA

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