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女の子は花咲かせ、男の子は飛翔してほしい! : 平成の人気名前ランキング

社会 暮らし

子どもの名前には親の願いが込められている。平成に生まれた赤ちゃんは、どんな期待を託されたのだろう。赤ちゃんの人気名前ランキングから平成を振り返る。

明治安田生命保険は、生命保険の加入者や契約情報などを基に毎年、「生まれ年別の名前調査」を実施、年ごとの名前をランキング形式でまとめ傾向を分析している。間もなく幕を閉じる「平成」の時代に生まれた赤ちゃんに、親たちはどんな思いを託したのだろうか? 

【女の子】

平成30年間で最も多く1位を獲得した名前は「美咲(みさき)」で、「陽菜(ひな)」「さくら/葵(あおい)」が続いた。上位に入った名前は、花や植物にちなんだ名前が圧倒的に多かった。可憐(かれん)で柔らかいイメージだけでなく、「根を張り、花を咲かせ、実を結ぶ」力強さも人気の要因か。

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初期 美咲(6) 愛(2) 彩/萌/明日香(各1)
中期 陽菜(4) さくら(3) 美咲/葵(各2)
後期 陽菜(3) 葵/結菜(各2) さくら/凜など(各1)
総合 美咲(8) 陽菜(7) さくら/葵(各4)

初期は元年~10年、中期は11~20年、後期は21~30年
()の数字は、毎年の調査で1位になった回数
後期3位は他に結愛/結衣/結月/咲良 

名付けに影響を与えた出来事

* 平成元年(1989年)改元

「平成」から1文字をとった「成美」が前年のランク圏外から4位にランクイン。

* 平成2年(1990年)秋篠宮さま紀子さまご成婚

紀子さまにあやかった名前がブームに。「紀子」が236位から73位に大きく順位を上げたほか、「早紀」「美紀」など「紀」の文字が入った名前がベスト100に6つランクイン。

* 平成12年(2000)シドニー五輪 / 平成16年(2004)アテネ五輪

オリンピックイヤーは「さくら」が人気。金メダルを獲得した高橋尚子さん(マラソン)、田村亮子さん(柔道、結婚により現在は谷姓)、吉田沙保里さん(レスリング)らの活躍に感動し、日本のシンボル的な花である桜への思いを強めたのだろうか。 

* 平成23年(2011年)東日本大震災

多くの犠牲者を出した東日本大震災で、人と人とのつながり、絆の大切さを改めて認識させられた年。つながりを連想させる「結」の文字が多く使われた。「結愛(ゆあ)」が1位、「結衣(ゆい)」が3位。

【男の子】

平成30年間で最も多く1位を獲得した名前は「大翔(ひろと)」で、「翔太(しょうた)」「蓮(れん)」が続いた。空高く羽ばたくの意味を持つ「翔」は、平成を代表する男の子の人気漢字。「大」の文字も上位の名前にしばしば使われている。男の子にはスケール感をもって、活躍してほしいという思いが込められているようだ。

1 2 3
初期 翔太(6) 拓也(2) 健太/大輝(各1)
中期 大輝/大翔(各3) 翔(2) 駿/蓮/陸(各1)
後期 大翔(5) 蓮(4) 悠真(2)
総合 大翔(8) 翔太(6) 蓮(5)

初期は元年~10年、中期は11~20年、後期は21~30年
()の数字は、毎年の調査で1位になった回数

名付けに影響を与えた出来事

* 平成元年(1989)改元

「翔平」(7位)、「一成」(38位)、「和成」(89位)と「平」「成」の文字が入る名前が人気に。翌2年も「翔平」「康平」「恭平」など「平」人気が続いた。

 * 平成5年(1993)Jリーグ開幕

サッカー熱が盛り上がり、人気サッカー漫画『キャプテン翼』の主人公の名前「翼」が5位に。以降、ベスト10に5年連続ランクイン。

* 平成18年(2006)秋篠宮さまの長男の悠仁さま誕生

悠斗(6位)、悠人(18位)、悠真(25位)、悠翔(25位)など、「ゆとりがある/おおらかである」の意味を持つ「悠」の文字が一躍人気漢字に。

* 平成23年(2011)東日本大震災

自然の力によって多くの命が失われたからこそ、大地に根差し、何度も花を咲かせるなど自然のポジティブなイメージにちなむ「蓮」「樹」などが人気に。明るい将来を願って「陽」「輝」の文字も多用された。

バナー写真 : PIXTA

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