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高齢者虐待1万7000件―厚生労働省調査 : 加害者の4割が息子

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家族や介護施設の職員による高齢者に対する虐待が増えている。「長寿」であることが喜ばしく幸せだった時代は終わってしまったのだろうか?

厚生労働省の調査によると、2017年度の高齢者に対する虐待は前年度比4.2%増の1万7078件となり、過去最多となった。

虐待の被害者の性別は女性が76.1%、男性は23.9%。これに対して、加害者は、息子が40.3%と圧倒的に多く、夫21.1%、娘17.4%と続いた。虐待の理由(複数回答)としては、「介護疲れ・介護ストレス」(24.2%)が最も多く、「虐待者の障害・疾病」(21.8%)、「虐待が始まる前からの当事者間の人間関係」(14.2%)、「被虐待者の認知症の症状」(13.7%)が続いた。

特別養護老人ホームなど介護施設の職員による虐待の認定件数も12.8%増の510件で過去最多を更新した。

施設職員による虐待は右肩上がりに増加している。虐待を受けたと特定された高齢者854人のうち、暴行や身体拘束など身体的虐待が59.8%と最も多く、次いで暴言など心理的虐待が30.6%、介護放棄が16.9%と続いた。

虐待の要因となったのは、「教育・知識・介護技術などに関する問題」が60.1%と最多。「職員のストレスや感情コントロールの問題」が26.4%で2番目に多かった。

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