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暴力団構成員15年連続で減少:オレオレ詐欺の主犯格として暗躍

社会

全国の暴力団・準暴力団構成員数は減少し過去最少を記録したものの、オレオレ詐欺や架空請求詐欺では非行少年を犯罪グループに組み入れ、主犯格として暗躍している。

警察庁のまとめによると、2018年末時点での全国の暴力団構成員数は前年比1200人減の1万5600人となった。構成員は03年から15年連続で減少。準構成員も10年から8年連続で減少し1万4900人となった。構成員、準構成員ともに、統計が残る1958年以降、最少の人数となった。

近年、構成員・準構成員の検挙者数は減少傾向にあり、2018年は前年比856人減の1万6881人だった。主な罪種別では、傷害2042人、窃盗1627人、詐欺1749人、恐喝772人、覚せい剤取締法違反4569人で、いずれも前年に比べて減少している。

詐欺のうち、オレオレ詐欺や架空請求詐欺などの特殊詐欺に関わる検挙者は630人だった。2015年以降は減少傾向にあるものの、特殊詐欺全体の検挙者2747人のうち22.9%を暴力団構成員・準構成員が占めており、刑法犯全体に占める構成員・準構成員の割合6.3%を大きく上回っている。

暴力団員らを主犯格として特殊詐欺グループが形成され、暴走族や非行少年を被害者に電話をしてだましたり、現金を受け取りに行ったりする実行部隊として利用する実態があるという。警察庁では、実行役が検挙された場合にも、共犯者を供述しないことを事前に誓約させるなどして主犯格の暴力団関係者が検挙を免れているケースもあるとみている。

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