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海外留学、初の10万人超 : 6割は1カ月未満

社会

海外留学する大学生は年々増えているが、1年以上の長期の留学はわずか2%。就職活動などへの影響を考え、夏休みなどを利用した短期留学が多いようだ。

日本学生支援機構の調査によると、2017年度に海外留学した大学生は10万5031人だった。現在の方法で集計を取り始めた09年度以降、右肩上がりに増加している。

ただ、留学期間で見ると、1カ月未満の短期留学が全体の約6割(6万6876人)を占めるのに対し、1年以上の留学はわずか2%(2022人)にとどまった。金銭的な負担や就職活動への影響を考慮し、休暇中などの短期留学を選択する学生が多いとみられている。学生のニーズに合わせて短期留学プログラムを充実させる大学も多い。

これに関連して、経団連は大学側との協議で、春の一括採用方式を改め、2022年度以降、順次、通年採用を拡大していくことで一致。留学を希望する学生は、就職活動解禁日に縛られることなく留学期間を決めたり、日本の大学を卒業後に海外留学するなど、柔軟な選択が可能になりそうだ。

留学先は、アジアが約4割、北米が約3割、ヨーロッパが約2割、大洋州が約1割。留学費用が比較的安いことや、中国語を学ぶ学生の増加がアジアへの留学生増加の要因になっていると見られる。

大学別では、早稲田が2770人と圧倒的に多く、2位の京都、3位の立命館も2000人超だった。

学校名 派遣数(人)
早稲田大学 2770
京都大学 2209
立命館大学 2049
東洋大学 1961
東京大学 1871
同志社大学 1713
関西学院大学 1572
関西外国語大学 1556
大阪大学 1521
明治大学 1520
九州大学 1407
中央大学 1396
北海道大学 1373
立教大学 1297
法政大学 1274
関西大学 1241
慶應義塾大学 1214
芝浦工業大学 1193
東京外国語大学 1150
千葉大学 1067

日本学生支援機構のデータを基に編集部作成

バナー写真 : PIXTA

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