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日本の難民認定:2018年も申請の1%に届かず―わずか42人

社会

2018年に日本で難民認定を受けた外国人は42人。前年(20人)より増えたが、1万人以上いる申請者に対し、認定率はわずか1%以下となっている。

人道配慮の「特別在留許可」は減少の一途

近年における日本の難民認定申請数、認定者数などの推移は下表の通り。

難民認定申請と認定者数などの推移

申請者数 認定者数 人道的配慮による在留許可者
2009 1388 30 501
2010 1202 39 363
2011 1867 21 248
2012 2545 18 112
2013 3260 6 151
2014 5000 11 110
2015 7586 27 79
2016 10901 28 97
2017 19629 20 45
2018 10493 42 40

(法務省まとめ)

さまざまな保護施策が決められている「難民」とは認定しなかったものの、帰国させるには人道的な問題があるとして、法相の裁量で認める「特別在留許可」が2018年に認められたのは40人。同許可は09年には501人に出ていたが、その数は年々落ち込んでいる。

18年に難民認定された42人の主な内訳は、コンゴ民主共和国13人、イエメン、エチオピア各5人、アフガニスタン、中国各4人、イラン、シリア各3人など。

極端に少ない日本の難民認定率

認定NPO法人難民支援協会の調べによると、G7を含む主な先進国の2016年の受入数・認定数は、ドイツが約26万人(認定率41%)、フランスが2万4000人(21%)、米国2万人(62%)、英国1万3000人(33%)などと続くが、日本は28人(0.3%)と極端に少ない。このため、難民保護について一層の貢献を求める声が国内外で強まっている。

法務省はこうした国際世論に関連し、日本の難民申請者のうち55%がネパール、スリランカ、カンボジア、フィリピン、パキスタンの5カ国で、「多くが、大量の難民・避難民を生じさせるような事情がない国々からの申請者」だと指摘。「世界で難民認定申請者を多く出しているとされる上位5カ国(世界の申請者の約33%を占める)からの申請者数は50人(アフガニスタン7人、イラク3人、シリア9人、ベネズエラ2人,コンゴ民主共和国29人)」にとどまっていると説明している。

難民申請数は半減

2017年に2万人近くまで達した日本の難民申請者数は、18年にほぼ半減した。この背景には、法務省が就労目的の「偽装申請」に対応し、審査を厳格化したことがある。これまでは審査が長期化による経済的困窮に配慮し、申請者は申請から半年経つと日本での就労が認められていた。

18年1月からは、申請後2カ月以内に書面審査を実施し、明らかに難民に該当しない申請者には就労を認めないよう、制度の運用を変更した。

バナー写真:移住目的で来日したミャンマー難民の家族=2011年9月29日、成田空港(時事)

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