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ロイヤル・ワンコゆりちゃんは雑種の保護犬

社会 皇室

天皇ご一家がかわいがられている犬の名前は「由莉(ゆり)」ちゃん。ご家族の写真にしばしば登場するほか、両陛下が会見などで犬との暮らしについて言及されることもある。大切な家族の一員のようだ。

天皇ご一家の写真にしばしば登場するワンコ(犬)がかわいいと注目されている。

ロイヤル・ワンコの名前は由莉(ゆり)ちゃん。2009年生まれの10歳。動物病院で保護されていた犬を生後2カ月の時に譲り受けたもので、血統書付きの犬ではなく、雑種。

天皇・皇后両陛下は、愛子さま誕生以前から2匹の犬を飼われていた。赤坂御用地に迷い込んだ犬が産んだ10匹の子犬のうちの8匹を宮内庁の職員らが引き取り、最も小さかった雄と雌1匹ずつを両陛下が「ピッピ」と「まり」と名付けて育てられた。

両陛下は誕生日に際しての会見などで、たびたび犬について言及されている。天皇陛下は1999年の誕生日の会見で、「犬の散歩が健康のためにも良いのではないか」と述べられている。また、犬のリードを腰につないでジョギングしていて、「運悪く犬が猫を見つけてしまった暁には、大変、引っ張られることがございます」とのエピソードを披露された。

皇后陛下は1998年の誕生日の記者会見で、「犬がいるというのも夫婦仲にとって、とても良いように思います。よく、夫婦喧嘩は犬も食わぬと申しますけれども、喧嘩の種は割とよく拾って食べてくれるような気がいたします」と述べられている。

ご一家で御料牧場に向かわれる際に愛犬「ゆり」を抱いた愛子さま(時事、2009年5月撮影)
ご一家で御料牧場に向かわれる際に愛犬ゆりを抱いた愛子さま(時事、2009年5月撮影)

2009年2月にまりが息を引き取り、その2カ月後の4月にゆりは家族の一員に加わった。愛子さまが、「まり」に響きを似せて「ゆり」と名付けられたという。ゆりが家族に加わって間もない5月にご一家で栃木県高根沢町の御料牧場に静養に向かわれる際、愛子さまがゆりを両腕でしっかりと抱いた姿や、同じ年の8月に同県那須町に静養に向かわれた際に、皇后さまが車の中からゆりの前脚をとって、沿道の人に手を振る姿が話題を呼んだ。

愛子さまは、2013年の宮内庁職員組合文化祭美術展に「Dogs’& Cats’ shop」の看板が付いたミニチュアの屋台を出品された。ペットのための首輪や洋服がところせましと並び、店の前には犬の姿もある。それまでも、両陛下の会見などで愛子さまの動物好きは伝えられていたが、手の込んだ作品からは犬や猫への特別な思いが伝わってくる。

宮内庁職員組合文化祭美術展に出品された愛子さまの「書」とミニ屋台の工作(時事、書は2008年、工作は13年の作品)
宮内庁職員組合文化祭美術展に出品された愛子さまの「書」とミニ屋台の工作(時事、書は2008年、工作は13年の作品)

その後も、ご家族の誕生日の際に公表されるご近影などにしばしばゆりが登場している。2018年の結婚満25年に際しては、天皇、皇后両陛下がゆりを挟んでほほ笑む写真が公表された。皇后さまは文書回答の中で、「家族皆で、犬、猫などの保護された動物をかわいがって育てたり、世話してまいりましたが、この動物たちも、家族の一員として安らぎとうるおいを与えてくれる大切な存在」と記されている。

成年を迎える愛子さまにも、愛犬の由莉(ゆり)は寄り添っていた(宮内庁提供、2021年11月14日撮影)(ロイター)
成年を迎える愛子さまにも、愛犬の由莉(ゆり)は寄り添っていた(宮内庁提供、2021年11月14日撮影)(ロイター)

バナー写真 : 時事(2009年8月撮影)

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