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報酬1億円以上の企業役員は731人に:2018年上場企業決算で開示

経済・ビジネス

東京商工リサーチの調査によると、2018年決算で1億円以上の役員報酬を開示したのは360社で、人数は731人。ともに17年の最多記録を更新した。

年々増加し、初めて700人超える

役員報酬が1億円以上支払われている場合の個別開示は、2010年の「企業内容等の開示に関する内閣府令」改正を受け、10年3月期の有価証券報告書から始まった。東日本大震災直後の2012年を除いて、ほぼ右肩上がりで開示社数、人数ともに増加し、今回初めて700人を超えた。

731人のうち、2018年に初めて1億円以上の役員報酬を受けたのは227人。残りの504人は2年以上連続して開示の対象になり、うち7割超の367人が前年より報酬額が増えた。

2011年以降、8年連続で1億円以上の役員報酬を受けたのは115人。10億円以上は10人(前年8人)、2億円以上10億円未満は179人(同146人)となった。

731人の役員報酬総額は1480億3500万円。主な内訳は、基本報酬が710億8,600万円(構成比48.0%)、賞与が334億400万円(同22.5%)、ストックオプションが136億3500万円(同9.2%)、退職慰労金(引当金繰入額含む)が67億7100万円(同4.5%)だった。

トップはソニーの平井会長

2018年決算の役員報酬ランキング

報酬額 前年
1 ソニー 平井一夫 27億1300万円 9億1400万円
2 セブン&アイ・ホールディングス ジョセフ・マイケル・デピント 24億300万円 18億9500万円
3 ソフトバンクグループ ロナルド・フィッシャー 20億1500万円 24億2700万円
4 ソフトバンクグループ マルセロ・クラウレ 13億8200万円
5 サンヨーハウジング名古屋 宮崎宗市 12億7800万円 1億7900万円
6 ソフトバンクグループ ラジーブ・ミスラ 12億3400万円
7 武田薬品工業 クリストフ・ウェバー 12億1700万円 10億4800万円
8 LIXILグループ 瀬戸欣哉 11億2700万円 5億2600万円
9 扶桑化学工業 赤澤良太 10億3400万円
10 トヨタ自動車 ディディエ・ルロワ 10億2600万円 6億8300万円

(東京商工リサーチ調べ)

役員報酬の最高額は、平井一夫・ソニー会長の27億1300万円。社長退任に伴う株式退職金11億8200万円などがあり、前年(9億1400万円)の約3倍となった。以下、セブン&アイ・ホールディングスのジョセフ・マイケル・デピント取締役の24億300万円(前年18億9500万円)、ソフトバンクグループのロナルド・フィッシャー副会長の20億1500万円(同24億2700万円)の順となった。

有価証券への役員報酬の虚偽記載などの疑いで東京地検に逮捕された日産自動車のカルロス・ゴーン元会長は7億3500万円(同10億9800万円)で19位。開示人数は三菱電機が22人(前年22人)で、5年連続でトップだった。

バナー写真:ソニーの平井一夫会長(左)と、吉田憲一郎社長兼最高経営責任者(CEO)=2018年2月2日、東京都港区の同本社(時事)

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