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ひきこもり100万人時代 : 中高年層は8割が男性

社会

内閣府の調査で中高年のひきこもり状態にある人が、全国で61万3000人いるとの推計結果が出た。このうちひきこもりが5年以上の長期にわたっている人が半数だった。

内閣府が40~64歳の中高年層を対象に実施した「生活状況に関する調査」で、ひきこもり状態にある人が全国で61万3000人いるとの推計結果が出た。2015年度に実施した15~39歳を対象にした調査では54万1000人がひきこもりと推計された。調査時期や手法は異なるものの、国内のひきこもりが100万人規模に達している可能性がある。

今回の調査は2018年12月に全国の男女5000人に調査票を配布、有効回答は3248人だった。中高年を対象にひきこもりの調査を実施したのは初めて。自室や自宅から全く出ない人に加えて、「趣味の用事の時だけ外出」「近所のコンビニなどには出掛ける」などの状態が半年以上続いている場合も「広義のひきこもり」とした。ひきこもりに該当した人は47人で、有効回答に占める比率と、総務省の人口推計を掛け合わせて推計値を出した。

男女比は、男性が76.6%と圧倒的に多い。ひきこもるきっかけ(複数回答)となったのは「退職」が29.1%と最も多く、「人間関係」「病気」「職場になじめなかった」などが続いた。

ひきこもりの期間は「5年以上」の人が過半数を占め、このうち30年以上が6.4%、20~30年が12.7%だった。20~30歳代でひきこもり状態となり、その後、脱するきっかけのないまま超長期化・高齢化しているケースも少なくないようだ。

「自宅でよくしていること」について聞いたところ、「インターネット」や「ゲーム」と答えた人の割合は、ひきこもり以外の人よりも低かった。世の中がイメージしているようなバーチャルな世界にのめりこんでひきこもっているわけではなく、全般的に、活動的ではない様子がうかがえる。

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