渋谷と丸の内、20年の化粧の変化―カネボウ定点観測
社会 暮らし
メークは時代の空気を映す鏡。渋谷と丸の内、東京を代表する2つの街の化粧の変化をカネボウ化粧品がウォッチした。
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1999年から2019年の20年間で女性の化粧は柔らかく温かみのある印象に変化した。
カネボウ化粧品(本社東京)は、都内で実施している定点観測の中から、若者文化の中心地である渋谷と日本を代表するオフィス街の丸の内をピックアップして、それぞれのエリアを象徴する女性の20年前と今を比較した。
1999年渋谷 “ギャル文化”真っ盛り
日焼け肌にハイライトをきかせ、角度のついた細い眉、ブルーやシルバーの目もと、血色感のない唇に、ブリーチやメッシュの髪が特徴的だった。
2019年渋谷 韓国アイドルに近づきたい!
白く仕上げた肌、眉はストレートで眉尻が下がり、まぶたの上下にオレンジ~赤系のアイシャドウ。ダークなローズ系の赤い口紅。韓国のドラマや歌手などの影響を受けているとみられるメークが目立つ。
1999年丸の内 きちんと感のある作り込んだメーク
金融系企業が多かったため、スーツやジャケットにエレガントなメークの女性が多かった。マットな肌と角度のついた細い眉。ローズ系の口元、パープルのアイシャドウが特徴。
2019年丸の内 肌になじんだバランスメイク
ナチュラルな肌に自然な太さのストレート眉。ピンクベージュ系の目元、口元。頬にはさりげない血色感がある。メーク自体は強くないが、アイラインとマスカラをしっかり丁寧につけて、地味な印象にはなっていない。
時代を映す眉
年齢層が違う渋谷と丸の内とでは、化粧の傾向は大きく異なる。しかし、眉だけはエリアが違っても、時代ごとに共通の傾向がある。眉は時代を映すパーツと言えそうだ。
渋谷、丸の内ともに、「クールさ」「強さ」から、「温かみ」「やさしさ」を感じさせるものへと柔らかく変化しているという。カネボウでは「メークの変化は、情報や文化などに触れて共感することが大きな要因。自然災害が相次いだことも、周囲との関係性につながるメークを見直すきっかけの一つになったのでは」としている。
バナー写真 : PIXTA