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「やりたい仕事」よりも「安定」重視に:大学生の就職意識

社会

人手不足で”売り手市場”にある大学生の就職状況。企業選びで意識するポイントは、「仕事の内容」よりも「安定」、そしてワークライフバランスだという。

学生の就職意識が変化している。4月に発表された株式会社マイナビの調査結果によると、就職活動で学生が企業選択する際のポイントは、「安定している会社」(39.6%、前年比6.6ポイント増)がトップだった。2001年卒の調査以降、連続1位だった「自分のやりたい仕事ができる会社」を抜いた。

同社は1979年卒(1978年調査)以来、大手企業志向の度合い、企業選択のポイントといった大学生の就職意識を調査、発表している。今回は2020年3月に卒業見込みの全国の大学3年生、大学院1年生から4万8064件の回答を得た。

企業選択のポイントについては、その他にも「給料の良い会社」(19.0%、同3.6ポイント増)、「休日、休暇の多い会社」(12.2%、同2.1ポイント増)といった項目が、前年よりも数値を伸ばした。

これについて同社は「安定を求めるとともにワークライフバランスが成立するような職場で働きたい傾向が読み取れる」と分析している。

「ノルマのきつそうな会社」はNG

1位の項目が逆転したのは、企業選択のポイントだけではない。学生に「行きたくない会社」を挙げてもらった設問では、「ノルマのきつそうな会社」(34.7%、前年比3.8ポイント増)」がトップとなり、2001年卒調査以降、ずっと1位だった「暗い雰囲気の会社」(28.5%、同3.3ポイント減)を逆転した。

3位は「休日・休暇のとれない(少ない)会社」(24.9%、同0.5ポイント減)、4位は「転勤の多い会社」(23.6%、同3.7ポイント増)。2002年卒では2位だった「仕事の内容が面白くない会社」(18.4%、同2.4ポイント減)は下降傾向が続き、今回は5位となった。

同社は「仕事内容の充実さ以上に、希望の勤務地や自分のペースで働ける企業を好む傾向があり、企業選択で重視するポイントとも通ずる結果となった」としている。

バナー写真: 企業の合同説明会の会場で、資料に目を通す2020年春に卒業予定の大学生ら=2019年3月1日、千葉市の幕張メッセ(時事)

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