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30年までに電気自動車3割達成へ、燃費改善加速を義務化

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政府は2030年に電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHV)の新車販売台数に占める比率を2~3割に高める。その目標達成に向け、厳しい燃費基準を設定した。

政府が2019年6月上旬にまとめた新車販売に関する新たな燃費規制案によると、30年度までの平均燃費として、ガソリン1リットル当たりの走行距離を25.4キロメートルに設定。16年度実績から32.4%の改善を求める。現行規制では20年度に20.3キロメートル(09年度実績比で24.1%改善)が目標だったので、新規制案は燃費改善を加速させる狙いがある。

日本の次世代自動車の普及目標

2017年(実績) 2030年
従来車 63.6%(279.1万台) 30~50%
次世代自動車 36.4%(159.5万台) 50~70%
 • ハイブリッド車 31.6%(138.5万台) 30~40%
 • 電気自動車 0.41%(1.8万台) 20~30%
 • PHV 0.82%(3.6万台)
 • 燃料電池車 0.02%(849台) ~3%
 • クリーンディーゼル車 3.5%(15.5万台) 5~10%

出典:経済産業省の資料

従来規制と異なり、ガソリン車以外のEVやPHVにも新たに「燃費改善」の考え方を当てはめたことも特徴だ。EVはガソリンが不要だが、走行に必要な電力をつくる際、火力発電所で二酸化炭素(CO2)を排出しており、新規制案はメーカーに間接的排出の改善を促す。メーカーは電力の消費度合いを「燃費」のように明示し、1回の充電当たりの走行可能距離を伸ばすことが必要となる。

新規制は国内販売を手掛けるメーカーに全販売台数の平均で達成することを義務付ける。経済産業省によると、17年の販売実績に占めるEVの割合は0.41%、PHVは0.82%。目標となる「30年に20~30%」との開きは依然大きい。政府は燃費規制強化でより環境性能の高い自動車の開発を促す。メーカーはガソリン車中心の戦略の見直しを迫られることになる。

写真:PIXTA

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