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中小企業の66%で人手不足:宿泊・飲食業では8割超

経済・ビジネス

中小企業の現場で、人手不足が深刻化している。

半数超の企業が「今後も不足感増す」

日本商工会議所と東京商工会議所が実施した中小企業の人手不足に関する2019年度の調査によると、従業員が不足していると回答した企業は66.4%で、前年度調査に比べて1.4ポイント上昇した。

調査は3月下旬から4月下旬にかけて全国4125社を対象に行われ、2775社から回答を得た。「人員が不足している」と回答した企業の割合は2015年度には50.3%だったが、その後4年連続で増加した。一方、「人員に過不足なし」と答えた企業の割合は、15年度には45.5%だったが、その後4年連続で減少し、今回調査では31.5%となった。

約3年後の人員充足の見通しについては、全体の52.1%が「不足感が増す」と回答。現在、人員が不足していると回答した企業に限定すると、62.4%が「不足感が増す」と回答しており、人口減や大都市圏への人口流出などを背景に、さらなる深刻化への懸念を示す企業が目立った。

外国人材「受け入れニーズある」5割に

業種別にみると、最も不足感が強かったのは「宿泊・飲食」の81.8%で、前年度より2.7ポイント上昇した。「介護・看護」では人手不足感が急激に進行し、79.2%で同11.2ポイントもの上昇となった。「運輸業」、「建設業」、「情報通信・情報サービス業」でも、7~8割の企業が人手不足と回答した。

人手不足と回答した企業の業種別割合(%)

2019年度調査 2018年度調査
宿泊・飲食業 81.8 79.1
介護・看護 79.2 68.0
運輸業 78.2 78.2
建設業 75.4 75.6
情報通信・情報サービス業 72.7 64.3
卸売・小売業 60.5 57.8
製造業 57.7 59.1

(日商、東商調べ)

従業員規模別にみると、「5人以下」では44.1%(前回41.9%)だったのに対し、「21~50人」では64.7%(同64.8%)、「101人以上」では77.3%(同77.1%)となり、規模が大きくなるにつれて人手不足を訴える企業の割合が増える傾向があった。

「外国人材の受け入れニーズがある」(既に雇用している、または雇用の予定があるに加え、検討中も含む)と回答した企業は50.8%(前回42.7%)に上った。

バナー写真:p-bandits/PIXTA

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