訪日客、地方での消費1兆円突破 : 温泉、スキーなど「コト消費」が人気
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訪日外国人旅行者数は、2018年通年で3119万人となり、初めて3000万人を突破した。オリンピックイヤーでもある2020年の「4000万人」の目標に向けて堅調に推移している。アジアからの旅行者数は2637万人で前年比8.3%増。訪日外国人全体に占める割合は84.5%たった。韓国やタイなどとの間の航空便数の増加が訪日需要を喚起したとみられる。
近年の傾向として、都市部だけでなく地方を観光する訪日客が増えている。2018年には、東京、名古屋、大阪の三大都市圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫の8都府県)以外の地方を訪れた訪日客が1800万人を記録した。
シェアで比較すると、2012年では訪日客の54%は三大都市圏のみを訪れていたが、2015年には48.2%となり、地方を訪れる訪日客が三大都市圏のみを訪れる訪日客を上回った。2018年には、地方を訪れる訪日客はさらに高まり57.7%に達した。これに伴い、2015年には6561億円だった訪日客の地方での消費額は、2018年には1兆362億円となり、初めて1兆円を突破した。
地方を訪れる訪日客が増加している背景には、スキー・スノーボードや温泉入浴、自然体験ツアー、ゴルフ、マリンスポーツといった地方訪問率の高い「コト消費」への需要の高まりがあるとみられる。
観光白書では、高野山(和歌山)での宿坊体験が文化財を活用した観光コンテンツとして人気を博し、宿泊者数が2013年からの5年で約5.5倍に増加したことを紹介している。また、年間10万人以上の訪日客が訪れる伊勢神宮(三重県)を擁する伊勢志摩地域では、海女小屋体験施設訪などで外国人観光客の取り込みを狙う。訪日客の娯楽サービス費購入率も2012年の21.5%から2018年には40.9%とほぼ倍増し、「モノ消費」から「コト消費」への移行を示す結果となった。
バナー写真 : PIXTA