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上げ膳据え膳・手作り重視 : 人任せ意識高い系の中高年男性

社会 暮らし

「私作る人」「僕食べる人」のキャッチコピーのインスタントラーメンのCMが「男女の役割分担を固定化する」と批判され、放送中止に追い込まれたのは1975年のこと。その頃から比べて女性の社会進出は格段と進んだが、「私作る人、僕食べる人」はいまだに続いている。

農林中央金庫が実施した「食」習慣に関する調査で、40代男性の93.9%、60代男性の86.6%が「平日の夕食は家族に用意してもらう」と回答した。一方で、「自分で料理を作る」と答えたのは、40代男性は10.6%、60代男性は17.9%にとどまった。40代と60代の女性の100%近くが「自分で料理を作る」と回答しているのとは対称的で、中高年男性の「人任せ」ぶりが浮き彫りになった。

1週間のうち、家で食べる夕食を自分で作ったり、調理を手伝ったりする頻度についても男女差は顕著で、特に、40代男性は「ほとんどない」が約7割、「1~2回」が約2割と、食事の支度にはほとんどノータッチ。調理したり、手伝ったりしない理由については、「用意してくれる人がいるから」「帰りが遅い」「料理ができない、苦手」が上位だった。

「安全な食」のために生活習慣として実行していることについて聞いたところ、40代男性・60代男性ともに「なるべく新鮮なものを購入」「賞味期限・消費期限を見る」が多く、「なるべく手作り」も両年代ともに3分の1を超えた。

自分ではほとんど作らないが、食に対する意識は高く、食事の用意をしてくれる家族が新鮮な国産食材で手作りしてくれることを信じているようだ。政府は男女共同参画社会の実現を重要施策として掲げるが、女性の社会進出が進んでも、家事を担うのは女性という構図は温存されたままだ。

「安全な食」のために心掛けていること(複数回答、%)

  40代男性 60代男性
なるべく新鮮なもの 53.0 65.7
賞味期限・消費期限を見る 45.5 47.8
なるべく手作り 34.8 34.3
なるべく国産のもの 40.9 47.8
添加物の少ないもの、入っていないもの 22.7 25.7

農林中金の公表資料から一部抜粋

調査は、世代による「食」に対する意識の違いを探るため、首都圏に居住する20代、40代、60代の男女400人を対象に実施。質問項目が多岐にわたるため、40代、60代の夕食事情に絞って紹介した。

バナー写真:PIXTA

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